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EU諸国の薬価政策  公定薬価への圧力強まる

公開日時 2011/02/14 04:00

EUでは、各国個別の市場としては小規模だが、EU全体では米国についで世界第2の規模を持ち、EU諸国での公定薬価への各国政府からの圧力は医薬品業界にとって大きな影響を与えるが、2010年はそれへの大きな懸念を生んだ年となった。EU諸国では、当然ながら国により、医薬品の保険償還制度の相違があり、薬価切り下げ方法や償還可能な医薬品の採用方法に違いがあり、また、ジェネリック医薬品の使用率にも差異があるが、どの国でも年々政府による薬剤費圧縮圧力は強まり、医薬品の保険償還への道が狭くなっているといえる。英国やスェーデンでは、HTA(医療技術評価)手法を採用、費用対効果を厳格に評価、償還できるものを絞り込んでいる。
以下は2010年に実施された薬価対策と2011年に計画されているものを列挙した。


◎ドイツ 保険者へのリベート引き上げ


ドイツでは、参照価格制で償還される薬剤以外の薬剤の保険者に支払われるリベートが6%から16%に引き上げられた。一時的措置とされているが永続的なものになる可能性がある。1年後に新薬の価格は費用対効果分析や上限価格に基づくものになる。保険者と個別企業のリベート契約が増加する可能性がある。


◎フランス 中等度に使用される薬剤の償還率を削減


フランスでは、「中等度(重症度で)の疾患」に効果があると思われる薬剤の償還率は35%から30%に削減(重症疾患の償還率65%は変更なし)。ジェネリック医薬品処方の奨励。


◎英国 PPRSで1%価格引き上げ


英国では、価格限界値を組み入れた価値に基づいた価格決定方式を2013年以降実施予定。一方、現行の2009年医薬品価格規制制度(PPRS)で2011年1月から自動的に1%の価格引き上げが認められた。


◎イタリア EU27か国の参照価格でGE品を算定


イタリアでは、EU15か国ではなくEU27か国のジェネリック医薬品の参照価格に基づき算定されることが計画されているが、時期は未定。非常に不透明な制度といわれる。


◎スペイン ブランド品の薬価10%引き下げ GE品は最大25%


スペインでは、2010年にブランド品の薬価を10%引き下げ、ジェネリック医薬品は最大25%引き下げ。


◎ギリシャ 最大27%薬価引き下げ


ギリシャでは、2011年に10億ユーロの削減を目的として最大で2010年には27%の薬価引き下げ。参照価格制実施。ジェネリック医薬品使用の促進。


◎アイルランド 最大40%薬価引き下げ


アイルランドでは、参照価格制度およびジェネリック代替調剤の導入について評価。1億2000万ユーロの削減を目指して2010年には最大40%の薬価引き下げ。


◎ポルトガル 全体で6%の薬価引き下げ


ポルトガルでは、薬剤費2億5000万ユーロの節減を目指し、2010年には全体で6%の薬価引き下げ。


(The Pink Sheet  1月24日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから

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