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MRの超過勤務手当訴訟判決 業界への影響が懸念

公開日時 2011/02/15 04:00

米国では、医薬情報担当者(MR)の超過勤務手当をめぐる製薬企業とMRとの間での訴訟が相次いでいる。2月18日には、最高裁がノバルティスおよびシェリングプラウ(現メルク)と原告MRに対する判決を下す予定で注目されている。


昨年7月米国控訴裁判所第2巡回裁判所は、公正労働基準法(FLSA)に照らし、ノバルティスとメルクに対し、MRは超過勤務手当の支払いを必要としない販売員でも管理職でもないので手当を支払うべきとする判断を下した。労働省(DOL)も原告側を支持する法定助言書を提出した。


この判決は、医薬品業界に大きな懸念を生じさせることになった。2006年以降、製薬企業が同様の訴訟10数件を抱え、ノバルティス1社だけでも2500人のMRが少なくとも合計1億ドルの支払いを求めている。


だが、昨年、異なった判決も出されている。ジョンソン・エンド・ジョンソンの訴訟では、米国控訴裁判所第3巡回裁判所が、MRは独立し自分で管理できる職種であるため管理職であるとして、FLSAの対象外との判断を示した。また、昨年ファイザーに買収されたアルファーマの訴訟でも、この第3巡回裁判所の判断を追認した。


◎逆転判決ないと大規模リストラの可能性も


しかし、ノバルティスと米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、第2巡回裁判所の判決により、さらに同種の訴訟が殺到し、また前従業員から超過勤務手当の支払いについて、遡及して要求されるのではないかと懸念を示している。


PhRMAは、最高裁で逆転判決がないと、「MR,医薬品業界、医師、患者らに重大な影響を与えるような大きなリストラを行わなければならなくなる」とインパクトの大きさを訴える。PhRMA、ノバルティスともにDOLが長いこと主張していたFLSAの解釈を変更したと述べている。ノバルティスはDOLが1945年の文書で、MRはFLSAの対象から外れると明記していることを引用している。


ノバルティスはMRに給与、成果手当などを含み平均年9万1500ドルを支払っており、1万3000人の従業員のうち6000人がMRで、総額年5億ドルに上る。同社に対する訴訟は、1400人のMRの削減を発表するまえに提起されている。


 

(The Pink Sheet  2月7日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから

 

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