【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

薬食審・第一部会 2新薬を審議

公開日時 2011/04/28 04:02

厚生労働省の薬食審医薬品第一部会は4月27日、新薬2剤を審議した。2型糖尿病の治療薬でDPP-4阻害薬アログリプチン(製品名:ネシーナ)とチアゾリジン系薬ピオグリタゾン(同アクトス)を配合したリオベル配合錠(武田薬品)と、PPIのネキシウムカプセル(アストラゼネカ)。いずれも承認が了承された。承認は6月の予定。

また、すでに医薬品・医療機器総合機構の審査段階で承認が了承された報告品目では、省内の検討会議で適応追加が求められ、公知申請された7件を承認すると報告された。報告品目の承認は5月の予定だが、すでに保険適用されている。

【審議品目】
▽リオベル配合錠LD、同HD(一般名:アログリプチン安息香酸塩/ピオグリタゾン塩酸塩、武田薬品):「2型糖尿病」を効能効果とする新医療用配合剤。再審査期間は残余期間(平成30年4月15日)。海外承認なし。
2規格あり、いずれもアログリプチンは25mg、ピオグリタゾンがLDは15mg、HD30mg。この薬は、10年8月の同部会で審議されたが、その際、配合成分のアログリプチンの使用経験が少ない段階に配合剤を承認することで、安全対策に問題が生じるのではないかとの疑義が示され継続審議扱いとなっていた。その後、経口配合剤に関しては原則、単剤での承認後少なくとも1年おいて、医療実態下での併用状況などを確認したうえで承認するルールが制定され、アログリプチンが4月で承認から1年を迎えたことから今回、了承された。

▽ネキシウムカプセル10mg、同20mg(エソメプラゾールマグネシウム水和物、アストラゼネカ):「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流性食道症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制、ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外120カ国以上で承認。
オメプラゾールの光学異性体でS体のみを取り出した薬剤。オメプラゾールとの効能の違いは「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」がある点。

【報告品目】
▽ジャヌビア錠25mg、同50mg、同100mg(シタグリプチン酸塩水和物、MSD)、グラクティブ錠25mg、同50mg、同100mg(同、小野薬品):2型糖尿病治療薬で「α-グルコシダーゼ阻害薬との併用」を効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間は残余期間(平成29年10月15日)。

▽ゴナールエフ皮下注用150(ホリトロピンアルファ遺伝子組換え、メルクセローノ):「視床下部-下垂体機能障害または多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(平成27年5月6日)。

▽ノバスタンHI10mg/2mL(アルガトロバン水和物、田辺三菱製薬)、スロンノンHI注10mg/2mL(同、第一三共):「HIT II型患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)及びHIT II型(発症リスクのある場合含む)における経皮的冠インターペンション施行時の血液の凝固防止」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(平成30年7月15日)。オーファンドラッグ。

▽フォルテオ皮下注キット600μg(テリパラチド遺伝子組換え、日本イーライリリー):骨粗鬆症治療薬で、投与期間を「24カ月間まで」に変更する新用量医薬品。再審査期間は残余期間(平成30年7月22日)

公知申請を経て追加適応を承認することになったのは以下のとおり。
▽ワソラン静注5mg(ベラパミル塩酸塩、エーザイ):追加適応「小児における頻脈性不整脈」
▽ワソラン錠40mg(ベラパミル塩酸塩、エーザイ):追加適応「小児における頻脈性不整脈」
▽メインテート錠2.5、同5、同0.625(ビソプロロールフマル酸塩、田辺三菱製薬):追加適応「慢性心不全」
▽抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍「ベネシス」(乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン、ベネシス):追加適応「妊娠中投与」
▽抗D人免疫グロブリン筋注用1000倍「ニチヤク」(乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン、日本製薬):追加適応「妊娠中投与」
▽リュープリン注射用1.88、同3.75(リュープロレリン酢酸塩、武田薬品):追加適応「中枢性思春期早発症」
▽ソル・ルドロール静注用40mg、同125mg、同500mg、同1000mg(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、ファイザー)、注射用ソル・メルコート40、同125、同500、同1000(同、富士製薬):追加適応「ネフローゼ症候群」

◎3成分の未承認適応の公知申請を了承 保険適用に

27日の部会では、3成分の未承認適応症について公知申請することが了承された。同省は、ドラッグ・ラグ問題の改善を進めている厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(検討会議)で公知申請が妥当とされた適応外薬について、薬食審で公知申請が了承されれば、半年程度かかる正式承認を待たずして、公的健康保険を適用する措置を実施しており、今回の了承分も保険適用された。了承されたのは次のとおり。

▽追加適応「ネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモン剤による適切な治療を行っても十分な効果がみられない場合に限る)」:製品名エンドキサン錠(一般名:シクロホスファミド水和物、塩野義製薬)
▽追加適応「クッシング症候群」:メトピロンカプセル(メチラポン、ノバルティスファーマ)
▽追加適応「腎移植における拒絶反応の抑制の小児適応」:セルセプトカプセル(ミコフェノール酸モフェチル、中外製薬)


訂正(28日午前10時20分)

「公知申請された7件は即日保険適用となった」とあったのを「すでに保険適用されている」に修正しました。

 

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー