厳重警告措置でMSDのアルバレズ社長が会見 社内の是正策を発表
公開日時 2011/05/20 04:00
MSDのトニー・アルバレズ社長は5月19日、東京都内で会見し、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)から公正競争規約違反行為により厳重警告措置を受けたことに対する是正策を発表した。
◎医師への謝金を伴う企画 すべてコンプライアンス部門の確認を経て実施
同社が発表した是正策は、▽社外コンプライアンス専門家を外部アドバイザーとして登用する、▽厳格な社内検証と責任の明確化、▽実例によるコンプライアンス研修の実施、▽新コンプライアンス部門統括の任命-の4項目。
このうち今回の違反行為の中でも指摘された「医師への謝金を伴う企画案」については、すべてコンプライアンス部門の確認を経てから実施すると規定した。さらにコンプライアンス部門が条件付きで実施を認めたプログラムについては、責任を明確にするため、担当の部門長が実施要綱を文書で確認するよう、社内規定を見直した。
また社員研修の観点から、営業・マーケティングなど顧客と接点を持つ部署は、今年3月から社外専門家によるコンプライアンス研修への参加を義務化した。
◎結果として違反行為が繰り返されたことに重大な責任を感じる アルバレズ社長
アルバレズ社長は会見で、「昨年8月にも類似の案件で公取協から警告措置を受けていたにもかかわらず、社内の点検が不十分であり、結果として同様の規約違反行為が繰り返されていたことに重大な責任を感じ、深く反省しております」と謝罪し、企業としての信頼回復に努める考えを強調した。
なお、社長および執行役員3人の月額報酬額の10%を2か月間自主返上するほか、今回の違反行為に関係した社員については、社内規定によりしかるべき処分を行うとした。