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代替薬なく供給不可欠な医薬品 不採算化予防策議論へ 中医協 日薬連の提案受け

公開日時 2011/06/23 04:02

日本製薬団体連合会は6月22日、中医協・薬価専門部会に、医療現場に需要があるにもかかわらず、薬価が低く採算割れしそうな医薬品について、採算が確保できる水準に薬価を据え置く薬価算定ルールを新設するよう提案した。血液製剤や生薬、アスピリンなどの基礎的医薬品など販売から数十年以上たち、代替薬がなく、医療を行う上で供給の継続が不可欠な医薬品(「保険医療上必要性の高い医薬品」と呼称)を対象するもので、それら医薬品の安定供給をできるようにするのが狙い。同部会は引き続き議論することにし、年末までに実施の可否を決める。

販売から数十年たった医薬品、数度の薬価改定を経ることで薬価が低くなる一方、薬事規制の見直し、生産設備の老朽化で生産体制を維持するコストがかさむ。それにより、不採算化が進み、メーカー側は供給が難しくなる。これまで不採算に陥ったと認められた医薬品は、2年に1度の薬価改定のたびに「不採算品再算定」ルールで薬価が引き上げられてきた(10年度改定で38品目)。しかし、時間がたつにつれ、再び不採算に陥るケースもある。そこで、一定の条件に該当する医薬品について不採算化を未然に防ぐルールが別途必要だとして、今回の日薬連の提案となった。

この提案で対象とする医薬品は、薬価改定の際に当該製品の乖離率が全収載品目の平均乖離率を超えないことに加え、(1)過去に不採算品再算定の対象となったもの(2)専門家などの了解が得られるなどして「保険医療上の必要性が高い」と判断され、さらに薬価が著しく低下し販売継続が困難となる恐れのあるもの――の(1)か(2)のいずれかを満たすもの。条件を満たした医薬品は改定前薬価を据え置く。

過去に不採算品再算定の対象となったものには、▽血液製剤、麻薬、生薬、生理食塩液などの天然・生体由来で実質的に代替薬がない領域のもの▽解毒剤、抗結核薬などの災害時や国防上必要な領域のもの▽ペニシリン、アスピリン、ジアゼパム(小児用ドライシロップ)などその他基礎的医薬品――があり、約250品目に上る。

この提案を説明した禰宜寛治専門委員(武田薬品工業コーポレートオフィサー業務統括部長、日薬連保険薬価研究委員会委員長)は部会で、新方式の対象医薬品は実質的に、薬価収載後一定年数が経過した品目で、かつ代替薬がなく、市場規模も一定以下の品目になるとした。

しかし、提案に対し診療側、支払側、公益側の各委員からは、提案内容の具体的なイメージがわかないとして、対象医薬品、その使用実態、採算状況などのデータの提出を求める声が相次いだ。その中で診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「不採算品再算定ルール」の適用だけでは不十分な具体的ケースを求めたほか、今回の提案に加え、一連の薬価制度改革の議題である新薬創出加算、原価計算方式の見直しを挙げ「全て薬剤費が上がる提案だ。それを全てやれというのは結構大きな疑問だ」とけん制した。

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