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杏林大・若林氏「PMSの背景にある育薬を見据えたMR活動を」

公開日時 2011/10/18 04:00

杏林大学医学部付属病院薬剤部の若林進氏は、MRを対象にした市販後調査(PMS)に関する意識調査の結果から、MRがPMSを自らの義務として捉えていることを明らかにした。その上で、臨床現場からみて十分なMR活動が行われていない現状を指摘し、MRのPMSに対するさらなる意識向上を訴えた。東京都内のタイム24ビルで開催された「平成23年度第1回JASDIフォーラム」(主催:日本医薬品情報学会(JASDI))で講演する中で、自身の考えを明らかにした。


医薬品情報室(DI室)の業務に携わる若林氏は、医薬品情報室ホームページや院内情報誌を通じ、院内での安全性情報の周知を図っていることを紹介し、「ITと紙媒体を組み合わせた“ハイブリッド型の医薬品情報提供”が、現在のDI業務の主流」とした。ただし、MRに周知をサポートしてあるケースも少なくないとし、「MRさんがいないと、DI室はなりたたない」と述べた。


その上で、来院するMRの態度に疑問を感じることも少なくないと指摘した。添付文書の改訂の内容を説明できず、紙を渡すだけしかできないMRが増加していることに触れ、「お知らせをもらうだけなら、ダイレクトメールで十分」と、その姿勢を批判。医療現場から見て、MRの提供する医薬品副作用情報などが質・量ともに必ずしも十分とは言えないと指摘した。


◎アンケート結果 PMSは「MRの義務であり使命」が99.2%


一方で、MRのPMSに対する意識調査を全国規模で行った結果から、MRがPMSに対して理解を示していることもうかがえることも紹介した。


調査は、アンケートに協力する製薬企業に属すMRから無作為に抽出し、MR認定センターを介して、WEBアンケートへの回答を依頼した。調査期間は、2011年4月20日~5月10日。3915人のMRから回答を得た。


その結果、PMSを「MRの義務であり、使命である」と回答したMRは99.2%にのぼった。また、PMS活動を「有害事象だけでなく、有効性・利便性・品質などについて日常的に情報を収集すること」と回答したのが、51.3%でトップ。「自社医薬品を適正に使用にしてもらうために情報を正確に提供すること」(25.2%)、「医師等から有害事象などの報告があった時に迅速に対応すること」(14.4%)が次ぐ結果となった。

PMSを円滑に推進する上での課題については、「医師のPMSに対する理解と協力」が70.8%、「MRがPMSを推進させる上で必要な知識とスキル」が53.2%、「MRの取り組み姿勢と意欲」が52.4%、「製薬企業のPMSに関する情報やバックアップ等の支援体制」が49.2%という結果となったとした。若林氏はこの結果について「概ねPMSに対して好ましい認識を示した」と結論付けた。

その上で、添付文書に重大な副作用が追加となったにもかかわらず、「今まで通り安心してお使いください」と話すMRや、市販直後調査の契約は不要なのにもかかわらず、契約書を求めるMR、市販後調査の契約が終わるまで治療を開始しないことを求めるMRがいると指摘。制度の理解をさらに深めることを求めた。


また、「使用成績調査で、契約症例に5症例足りないので、処方をお願いできませんか?」と依頼に来るMRについても、「PMSを販促に利用していないか」と企業の姿勢をただした。


若林氏は、副作用報告を行うことで、添付文書が改訂され、全国の医療関係者にその存在を認識させることができる、と医療上の重要性を強調。結果として、その薬剤の適正使用を推進し、“育薬”につながるとの考えを表明。PMSを“義務”としてだけ捉えるのではなく、「背景に育薬があったことをもう一度考えてみてください」と会場に呼びかけた。

 

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