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中医協 12年度診療報酬改定を答申 地域医療・在宅・チーム医療を重視

公開日時 2012/02/13 04:02

 中医協の総会は2月10日、12年度診療報酬改定内容を小宮山洋子厚生労働大臣に答申した。今回の改定では、疲弊が伝えられる救急、小児、産科、外科領域や勤務医の負担軽減(チーム医療の促進含む)などへの重点配分とともに、地域医療・在宅医療も重視する内容。改定財源の医科への配分約4700億円のうち、勤務医負担軽減に1200億円、地域医療・在宅の充実には1500億円を配分する。一部を除き4月から実施する。

【地域医療連携】
院内で医療を完結させず、患者を適切な場所で医療が受けられるように医療連携を促すため、点数の新設、引き上げを行う。入院患者の退院調整を計画的に行い、退院後に必要になる診療内容などを受け入れ側医療機関と確認し、患者に文書で説明した場合に評価する「退院調整加算」を新設(加算1=50点~340点、同加算2=200点~800点※療養病棟入院基本料等定められたの入院基本料を算定している場合)。

併せて、退院後に必要とされる診療など在宅療養に必要な事項を記載した退院支援計画を作成し、患者に説明し文書で提供、退院後に診療に当たる保険医療機関と共有した場合には「地域連携計画加算」(新設)として300点を算定できるようにする。また、退院時カンファレンスを訪問看護ステーションと行った場合にも「退院時共同指導料2」の300点を算定できるようにする。

【在宅医療】
在宅医療の支援強化も打ち出した。在宅医療を担う在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)に対し、常勤医師が3人以上、連携医療機関と月一回以上の定期カンファレンスなど上乗せ要件を満たした施設を新たに評価。具体的には、24時間対応を促すため、要件を満たした施設においては「緊急加算」(850点)、「夜間加算」(1700点)、「深夜加算」(2700点)を新設し、算定できるようにする(カッコ内の点数は病床を有する場合)。在宅緩和ケア、在宅での自己注射・機器の指導管理、看取り(そのプロセス)などについて、点数を新設したりする。

【勤務医の負担軽減】
勤務医負担の軽減の一環として、院内での医療を充実するための、医師、看護師、薬剤師など他職種の連携によるチーム医療も促す。精神科の要件を満たす入院患者に対し、精神保健福祉士や作業療法士なども含め診療実施計画、薬物治療等の評価書などを行う「精神科リエゾンチーム」で対応した場合は200点を算定できるようにする(週1回)。そのほか「移植後患者指導管理料」「造血幹細胞移植後患者指導管理料」(300点、月1回)、「外来緩和ケア管理料」(300点)、「病棟薬剤業務実施加算」(100点、週1回)--を新設した。「栄養サポートチーム加算」(200点、週1回)は、一般病棟入院基本料(13対1、15対1)など算定可能病棟を広げる。

診療所での休日・夜間対応を評価してきた「地域医療貢献加算」(3点)は、「時間外対応加算」に名称を変え、時間外「常時」対応した場合は5点を算定できるようにする。

そのほか今回の改定論議で焦点となった、一つの医療機関内で1日のうちに複数の診療科に受診した場合、2科目の再診料、外来診察料の算定については、初回の約半分の34点とした。

医薬品の使用関連点数(主なもの)

【GE使用促進強化】
薬局:「後発医薬品調剤体制加算」(現行30%以上17点、25%以上13点、20%以上6点)
 GE調剤が高い薬局ほどさらに評価を高くする。
 「35%以上」19点
 「30%以上」15点
 「22%以上」5点

医療機関:「後発医薬品使用体制加算」(現行20% 30点)
 GEの使用割合に応じた段階的評価を導入する。
 「20%以上」28点
 「30%以上」35点

 一般名処方をした場合、処方せん料への加算
 「一般名処方加算」2点

処方せん様式の見直し
 個々の医薬品ごとにGEへの変更の可否を明示する内容に改める。

【EPO包括点数の引き下げ】

EPO価格が低下し、より低価格のエポエチンベータペゴル(ミルセラ)等への置換が進んでいることを踏まえて点数を見直す。
 「4時間未満」2040点(現行2075点)
 「4時間以上5時間未満」2205点(同2235点)
 「5時間以上」2340点(同2370点)

【精神医療関連薬剤の評価】
 「精神科継続外来支援・指導料」(現行55点)
 副作用リスクを高める向精神薬の多量・多剤併用の見直しを促すため、、抗不安剤または睡眠剤が3剤以上の場合は、所定点数の8割で算定する。

 「持続性抗精神病特定薬剤治療指導管理料」(現行250点)
 現行点数に加え、重篤な副作用が発現するリスクの高い「治療抵抗性統合失調症治療薬」(クロザピン)が使用されている場合の医学管理を評価するための点数を新設する。
 「治療抵抗性統合失調症治療指導管理料」500点

【薬歴管理指導料の要件見直し】
 「薬剤情報提供料」(15点)を廃止し、「薬歴理指導料」(30点)の算定要件の一部とし、同管理料の点数を引き上げる。
 「薬歴管理指導料」41点
 要件:お薬手帳を通じた情報提供、GEに関する情報提供(当該薬剤のGEの有無、価格等)、残薬の有無の確認。
 

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