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新薬11成分承認 HER2陽性乳がん治療薬ペルツズマブも

公開日時 2013/07/02 05:04

厚労省は6月28日、新薬として11成分23品目を承認した。HER2陽性乳がん治療薬パージェタ(一般名:ペルツズマブ、会社名:中外製薬)、厚労省から開発要請されていた抗てんかん薬イーケプラ(レベチラセタム、ユーシービージャパン)の小児(4歳以上)などにも投与しやすいドライシロップ剤などが含まれ、8~9月に予定される薬価収載を経て発売となる。承認品目は次のとおり。

 
▽ルナベル配合錠ULD(成分名:ノルエチステロン/エチニルエストラジオール、会社名:ノーベルファーマ):「月経困難症」を効能・効果とし、新たな配合割合の製剤を追加する新効能・新用量・剤型追加医薬品。再審査期間4年。
 
ULDは新規製剤で、血栓リスクが指摘されているエチニルエストラジオールの配合量をLD錠の0.035mgから0.02mgに少なくした。販売は従来のLD錠と同様に日本新薬と富士製薬がそれぞれ行う。
 
▽イーケプラドライシロップ50%(レベチラセタム、ユーシービージャパン):「他のてんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」の効能・効果に小児用量を追加し、ドライシロップの剤型を追加する新用量・剤型追加医薬品。再審査期間は平成30年7月22日まで。
 
同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で4歳以上の小児用量の開発が求められ、同省がメーカーへ開発を要請していた。ドライシロップ剤は小児患者でも飲みやすいうえ、体重に合わせた用量調節も可能。また、錠剤を服用しにくい成人患者も選択できる。錠剤と同様にユーシービージャパンと大塚製薬はコ・プロする。
 
▽トピロリック錠20mg、同40mg、同60mg(トピロキソスタット、富士薬品)、ウリアデック錠20mg、同40mg、同60mg(同、三和化学研究所):「痛風、高尿酸血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。 
 
キサンチンオキシダーゼを阻害して尿酸生成を抑制することにより、血清尿酸値低下作用を示す。富士薬品が創製し、両者で共同開発した新薬。
 
▽ビソノテープ4mg、同8mg(ビソプロロール、トーアエイヨー):「本態性高血圧症(軽症~中等症)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
ビソプロロールフマル酸塩の経口薬(メインテート錠)はすでに承認・販売されている。今回了承された経皮吸収型製剤は、経口薬に比べて血中濃度が持続し、安定した降圧効果が得られるといい、経口投与不能な患者が選択できるようになる。流通・販売はアステラス製薬が担当し、トーアエイヨーとアステラス製薬がコ・プロする。
 
▽イーフェンバッカル錠50μg、同100μg、同200μg、同400μg、同600μg、同800μg(フェンタニルクエン酸、帝國製薬):「強オピオイド鎮痛剤を定時投与中のがん患者における突出痛の鎮痛」を効能・効果とする新剤型、新用量医薬品。再審査期間4年。
 
がん患者に一時的に起こる急激な痛み(突出痛)に対し、バッカル部位(上大臼歯の歯茎と頬との間)に投与することで即効性を示す。帝國製薬が輸入・製造し、販売は大鵬薬品が行う。
 
▽パージェタ点滴静注420mg/14mL(ペルツズマブ遺伝子組換え、中外製薬):「HER2陽性手術不能または再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
同剤はヒト化HER2モノクローナル抗体で、腫瘍細胞で過剰発現が見られる受容体型チロシンキナーゼのHER2に結合、HER2の二量体形成を阻害し、腫瘍の増殖を抑制する。乳がん患者の2~3割程度でHER2が関与しているとされ、HER2陽性術後乳がん患者の一次治療としては、推奨されている「化学療法+トラツズマブ」に同剤の併用も可能。
 
▽オレンシア皮下注125mgシリンジ1mL(アバタセプト遺伝子組み換え、ブリストル・マイヤーズ):「関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新投与経路・新剤型・新用量医薬品。再審査期間6年。
 
T細胞の活性化やサイトカイン産生を抑制する生物学的製剤で、同成分の点滴静注用製剤は既にあるが、皮下注用製剤は初めて。皮下注は、自己注射が可能になる。点滴静注製剤と同様にブリストル・マイヤーズと小野薬品はコ・プロする。
 
▽リクスミア皮下注300μg(リキシセナチド、サノフィ):「2型糖尿病〔ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る ▽食事療法、運動療法に加えてSU剤(ビグアナイド系薬剤との併用を含む)を使用、▽食事療法、運動療法に加えて持効型溶解インスリン製剤(SU剤との併用を含む)を使用〕」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
GLP-1受容体作動薬。同じ作用の薬剤にはバイエッタ(アストラゼネカ)やビクトーザ(ノボノルディスクファーマ)があるが、リクスミアは基礎インスリンとの併用が可能な点が異なる。ビクトーザと同様に1日1回、朝食または夕食前に皮下注する。
 
▽ボンビバ静注1mgシリンジ(イバンドロン酸ナトリウム水和物、中外製薬):「骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
1カ月に1回静注する。ビスフォスフォネート系薬剤で、既存の同作用の薬剤に劣ることなく骨量を増加させ、骨折の発生を抑制する。月1回投与の経口剤の開発はフェーズ3.
 
▽イルトラ配合錠LD、同HD(イルベサルタン、トリクロルメチアジド、塩野義製薬):「高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間6年。
 
ARBイルベサルタンとサイアザイド(チアジド)系利尿薬のトリクロルメチアジド配合錠。LDとHDの違いはイルベサルタンの含有量で、LDが100mg、HDが200mg。トリクロルメチアジドはいずれも1mg。1日1回1錠。
 
▽アセリオ静注液1000mg(アセトアミノフェン、テルモ):「経口製剤及び坐剤の投与が困難な場合における疼痛及び発熱」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。
 
1回300~1000mgを4~6時間間隔で投与。小児用量も設定した。小児の高熱で速やかな解熱が求められるものの、小児適応を持つ非オピオイド系静注製剤がなかった。また、成人においても既存の非オピオイド系静注製剤では、肝障害や腎障害、高血圧患者など禁忌患者が多く使いづらかった。その中でアセトアミノフェンの静注製剤の開発が、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」から求められ、10年12月に同省から開発要請されていた。吐き気などで経口投与ができなかったり、下痢で坐剤の投与が難しいといったケースでの使用も想定される。
 
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