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薬食審・第一部会 新薬など4剤を審議 承認了承

公開日時 2013/10/29 03:52

厚労省の薬食審医薬品第一部会は10月28日、新薬など4剤について承認の可否について審議し、承認を了承した。

【審議事項】(カッコ内は一般名、会社名)
▽トピナ錠25mg、同錠50mg、同錠100mg、同細粒10%(一般名:トピラマート、企業名:協和発酵キリン):「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする薬剤で、今回、小児の用法・用量を追加するとともに、細粒を追加する新用量・剤型追加する。再審査期間4年。小児の適応で米国、欧州など70の国または地域で承認されている。
 
成人適応では07年に承認されていたが、2歳以上の小児適応について同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外検討会議」で医療上の必要性が高いと判断され、厚労省から同社に開発要請されていた。小児の場合は体重あたりで投与量を調整する。今回追加された細粒と錠剤は小児、成人いずれでも使用できる。類薬にはイーケプラ(レベチラセタム)やガバペン(ガバペンチン)などがある。

▽アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、同注射用キット40mg/mL (アフリベルセプト遺伝子組換え、バイエル薬品):「網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」の効能・効果を追加とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(平成32年9月27日まで)。13年7月時点で米国など3カ国で承認されており、9月には欧州でも承認された。
 
網膜中心静脈閉塞症は、網膜の血管が血栓により閉塞する疾患。閉塞部位で分泌される血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の作用で血管細胞間の間隙が広がり、血液成分が血管外に漏出して浮腫が発生する。浮腫が黄斑部に及ぶと視力低下の原因となるが、アイリーアはVEGFと結合し、作用を阻害することで浮腫を軽減、視力を改善する。

用法・用量は、1回あたり2mg(0.05mL)を硝子体内投与し、1カ月以上あけて投与する。「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」に今回の適応を追加する。類薬にはルセンティス(ラニビズマブ)がある。

▽リオナ錠250mg(クエン酸第二鉄水和物、日本たばこ産業):「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

 

慢性腎臓病により腎機能が低下すると、尿中へのリン排泄が高度に低下し、高リン血症を呈するようになる。リオナ錠は、消化管内で食事由来のリン酸と結合することでリンの吸収を抑制し、血清リン濃度を低下させるリン吸着剤。カルシウムを含有しないため高カルシウム血症の懸念がなく、そのほか類薬で報告のある便秘や腸管穿孔など重篤な胃腸障害の発現リスクが低い特徴があるという。1回500mgを開始用量として1日3回食直後に経口投与する。最高用量は1日6000mg。類薬にはホスレノール(炭酸ランタン水和物)、フォスブロック/レナジェル(セベラマー塩酸塩)、沈降炭酸カルシウム(同)などがある。

▽注射用オノアクト50(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):「心機能低下例における心房細動、心房粗動の頻脈性不整脈」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。海外承認なし。類薬には、ブレビブロック(エスモロール塩酸塩)などがある。

日本初のPTSD適応承認へ SSRIパキシルに追加

28日の部会は、2製品の適応追加について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が承認して差し支えないと判断した、と報告を受けた。この中で、抗うつ薬として知られるSSRIパキシル錠の適応にPTSD(外傷後ストレス障害)を追加することになった。PTSD適応は日本で初めて。

【報告事項】(カッコ内は一般名、会社名)
▽パキシル錠5mg、同10mg、同20mg(パロキセチン塩酸塩、グラクソ・スミスクライン):「外傷後ストレス障害」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

PTSD適応では海外60カ国以上で承認され、PTSDの薬物療法では標準薬として国内外で広く使用されているとして公知申請が認められた。1日1回夕食後投与。投与は10~20mgから開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。最大40mg。

▽アナフラニール錠10mg、同25mg(クロミプラミン塩酸塩、アルフレッサファーマ):「ナルコレプシーに伴う情動脱力発作」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

ナルコレプシーは、突然の強い眠気に襲われる症状が毎日のように数カ月以上にわたり続くもの、情動脱力発作は、喜怒哀楽など強い感情が働いた時に全身、首、まぶたなどの力が急に抜けるもので、倒れこんでしまうケースもある。1日10~75mgを1~3回を分割経口投与する。

これら2剤は、議題としては「報告事項」扱いで、PMDAの承認審査段階で承認可能との判断について部会では審議されず報告のみとなり、そのまま正式承認の手続きに入ることになる。通常どおりなら、来月にも承認となる。

1つの未承認適応の追加 公知申請を了承

そのほか、部会では、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が認められた未承認適応の追加について公知申請を了承した(カッコ内は一般名、会社名)。特例により保険適用となった。

▽アレディア点滴静注用15mg、同30mg(パミドロン酸二ナトリウム、ノバルティスファーマ)
予定適応:「骨形成不全症」

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