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ノボ・2014年業績 売上高990億円 トレシーバ好調で前年比2.1%増

公開日時 2015/04/09 03:50

ノボ ノルディスク ファーマは4月8日、日本法人の2014年の業績が、売上高前年比2.1%増の990億円(薬価ベース)だったと発表した。2011年以降、売上高を落としていたが、基礎インスリン(ベーサルインスリン)・トレシーバが2014年3月の長期処方解禁後に伸長。GLP-1受容体作動薬・ビクトーザとともに売上回復の成長ドライバーとなった。同日会見したクラウス アイラセン代表取締役社長は、夜間の低血糖発現頻度の低下などトレシーバの有効性、安全性を強調した上で、「今後も成長を続け、さらに業績を改善すると思う」と自信をみせた。同社は、全インスリン市場でシェア54%をほこるマーケットリーダーだが、「将来について楽観視しており、インスリン市場でのリーダーシップをより強固にできると考えている」と述べた。


会見冒頭で、アイラセン社長は社長就任後からの10年間を振り返り、糖尿病市場について、市場参入する企業の増加などで競争が激化したとの見方を示した。その上で、同社としては「戦略を守り、踏襲し、さらにフォーカスを強くし、新たな治療を導入してきた」と説明した。


インスリン市場は、プレミックスインスリンと速効型インスリンの二大市場が2010年以降、大きく変化し、同社の業績にも大きく影響した。プレミックスインスリンがシェアを落とす中でベーサルインスリンが台頭。同社にとっては、ベーサルインスリンのシェアは最も低く、インスリン市場全体でみても「マーケットシェアを維持することが難しかった」(アイラセン社長)と振り返った。トレシーバが長期処方解禁後に浸透する中で、インスリン市場における同社のシェアも回復傾向を示しているとした。


ベーサルインスリンは、サノフィのランタスなどの競合品に加え、バイオシミラーが参入するなど、競争の激化が予想される。アイラセン社長はトレシーバについて、作用時間の長さや再現性の高さ、個体間のバラツキが少ないこと、夜間の低血糖発現率の低さなど同剤の特徴を列挙。「根本的なインスリン治療の心配を取り除くことができることを市場が認めてくれた。医療従事者が認めてくれたからこそ、20万人以上に処方されている」との見方を示した。
同剤について「新世代のアナログ製剤で、既存治療に比べてベネフィットがある」とした上で、「バイオシミラーが参入しても、トレシーバの競争相手にはならない。我々はさらに先に進んでいる」と自信をみせた。


今後さらに製品の価値を高めるためにライフサイクルマネジメントにも注力する考え。同社の杉井寛常務取締役 開発本部長は、「フェーズ3b/フェーズ4として継続的に臨床試験を実施し、日本人のエビデンスを構築することで、付加価値を継続的に高めることを考えている」と述べた。小児や腎疾患、肝疾患の患者などを対象にしたエビデンスを構築することや、デバイスの改良などにより、医療従事者が安心感を持って処方することができることの重要性を強調。患者のアドヒアランス向上にも寄与するとの考えを示した。


そのほか、GLP-1市場ではビクトーザがシェア60%(金額)でマーケットリーダーになった。14年8月に「2型糖尿病」の適応を取得後、市場シェアも回復基調にあるとした。週1回GLP-1アナログ製剤のSemaglutideも臨床第3相試験にあり、引き続き同領域にも注力する姿勢も示した。
 

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