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武田薬品 大日本住友の抗精神病薬ラツーダの欧州での開発・販売契約解消

公開日時 2015/05/08 03:51
大日本住友製薬と武田薬品は5月7日、武田薬品が11年3月に取得した統合失調症に用いる非定型抗精神病薬ラツーダ(一般名:ルラシドン塩酸塩)の欧州主要国やロシアなどにおける共同開発・独占的販売権を、2016年1月31日付で大日本住友に返還することになったと発表した。ラツーダの欧州展開に関する両社間の契約は解消となる。契約解消の理由は、武田薬品の欧州販売戦略の見直しによるものとしている。

両社はこの日の発表資料の中で、「(契約解消は)武田薬品の販売戦略の検討に基づくものであり、ラツーダの安全性や有効性に関する新たな知見に基づくものではない」としている。武田薬品広報部は本誌に、▽欧州の複雑な市場動向▽競合薬のジェネリックの想定以上に早い参入――が販売戦略見直しの背景にあると説明した。ラツーダをめぐっては、日本を含むアジア共同フェーズ3試験で、統合失調症を対象にした解析で統計学的有意差が出ず、大日本住友が4月24日に、「日本での承認申請の実施は難しい」との見解を発表しているが、大日本住友、武田薬品の各広報部はそれぞれ本誌に、このアジア共同P3試験の結果が今回の解消理由ではないと強調した。

両社は今後、武田薬品が持つ欧州の開発・販売権の返還や事業移管を進めるための協議を始める。武田薬品は現在、英国を除くEU26か国、スイス、ノルウェー、トルコ、ロシアの権利を保有している。なお、英国市場は大日本住友の子会社が手掛けている。

■大日本住友・多田社長 欧州展開で「あらゆる選択肢を検討」

大日本住友の多田正世社長は、ラツーダの欧州展開について、「欧州における患者さんが今後もラツーダを入手できるよう努めるとともに、統合失調症をはじめとする精神疾患の治療に貢献したい」とし、「新たなパートナーとの提携を含め、あらゆる選択肢を検討していく」とコメントした。新たなパートナー探しを軸に、英国子会社をベースにした欧州展開も模索するとみられる。
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