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ファイザー、アラガン統合提案 早くも政治家から意見続出

公開日時 2015/11/04 03:50

米ファイザー社およびアイルランド・アラガン社は10月29日、ともに両社の統合交渉を友好的に行っていることを確認する声明を発表したが、ファイザー社は本社をアイルランドに移転する見込みとの観測が、早くも米議会議員からの意見を続出させているようだ。


ファイザー社は、昨年、英アストラゼネカ社に対して買収提案を行ったが、アストラゼネカ社の頑な拒否やその意図のひとつに本社をロンドンに移転、タックスインバージョン(租税回避:節税を目的に本社を海外に移転する)を狙ったものとみなされ、英議会の猛反発を受けたことなどから買収を断念した。同社のその後の動向が注目されていたが、やはりタックスインバージョンへの執念は強いようだ。米ロイター通信によると、同社Ian Read CEOは、10月23日の第四半期決算発表の際に、「将来、成功するためには、我々は競争出来うる税率が必要だ」と米国の高い法人税率を暗に問題視した。


アラガン社はもともと米国の企業だったが、アイルランド・アクタビスに買収されたが、アクタビスは、存続会社名をアラガンとして、本社をダブリンに置いている。


ファイザー社がアラガン社を買収すると、アラガン社の時価総額が1130億ドルのため、ファイザー社にとって、一時世界のベストセラー製品だった高脂血症薬リピトールを獲得するために、ワーナーランバート社を買収したときの900ドルを上回る大型買収となる。


ファイザー社が米国ナンバー1の製薬企業であり、全業界のなかでも注目すべき存在なので、本社を米国以外に移すことに政治家も無関心ではない。


Hillary Clinton民主党大統領候補(前国務長官)の報道官は、「Clinton氏は、企業が米国を離れ、税制をもてあそぶような、いわゆるタックスインバージョンについては断固たる措置をとる考えでいる」と話している。一方、共和党のDonald Trump大統領候補は、「このような企業の租税回避は、資本を海外へ持っていくばかりか、もっと重要なのは雇用も持っていってしまうことだ。我々は、企業が米国を離れる道を探すのではなく、アメリカに喜んで来るように税制を変えるためにワシントンのリーダーシップを発揮しなければならない」と話した。


いわゆる企業買収によく顔を出す「億万長者」投資家として名高いCarl Icahn氏は、タックスインバージョンをなくすために1億5000万ドルを出資、税制改革を提唱する政治活動委員会を発足させたという。同氏は、「ファイザー、アラガンの統合は、米国で10番目に大きな企業をアイルランドにやってしまう」と危機感を隠していない。


今回の両社の統合の成否にかかわらず、米国でタックスインバージョン対策がまたトピックになることは間違いなさそうである。ファイザー社、アラガン社ともに、29日の声明で、今後動きがあれば適切な時期に発表を行うことを明らかにしている。



 

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