【World Topics】「見かけ」が大事
公開日時 2016/01/06 03:50
大半の人は 薬の飲みやすさ・飲みにくさを薬の色や形といった外観で予断しており、また薬の「効果」についても色や形の印象で判断を大きく左右されていることがわかった。米国、中国、コロンビアでの実験調査の結果だという。
研究はオンライン調査で、丸・楕円・イヤモンドの3種の異なる形の錠剤を、それぞれ白を含む7色でつくり、被験者にモニタ上で見せ、質問した。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
調査に用いた錠剤の例:WSJ “Personal Journal” 2015年7月21日
被験者の回答は、国の違いを問わず共通で研究者を驚かせたというが、結果は、色については、「もっとも苦そう」なのが赤い錠剤で、「もっとも飲みやすそう」で「もっとも苦そうでない」のが「薄いブルー」の錠剤との回答であった。
薬の見かけは効き目についての印象も左右する。頭痛薬として「もっとも効果が高そう」なのは「白い錠剤」、「もっとも効き目が弱そう」なのは「薄いグリーンの錠剤」との回答で、これも各国に共通であった。
形は「飲み込みやすさ」を予見する手がかりだ。「もっとも飲みにくそう」とされたのは、各国ともダイヤ型の錠剤であった。
ブランド薬をジェネリックに変えたとたんに「見た目がいやで飲めなくなった」という患者が少なからずいると言われている米国のこと。たかが「見かけ」とあなどれない調査結果である。