【World Topics】感染症の国際化
公開日時 2016/01/22 03:50
地球規模での気候変動や、国際化の進展に伴う人や物の交流の拡大により、かつてはアフリカや東南アジアなどに限定されていた感染症が世界に拡散。感染症もボーダレスの時代だ。米国でも次々と聞きなれない感染症が警告されている。(西村由美子)
ウェストナイル病に続き、最近アメリカで警戒されているのが Zika Virus(ジカ・ウィルス)感染症だ。感染はデング熱や黄熱病を媒介するのと同じ種類の蚊が媒介しておこる。感染者の5人に1人程度が発症すると言われており、症状は発熱、頭痛、関節や筋肉の痛み、発疹、目の充血など。
下図は米国CDCが作成したZika感染地域 マップである。昨年ブラジルで感染者が見つかり、その後、北に向かって急速に 感染が拡大した。現在メキシコまでが感染区域。米国は国内への感染拡大予防に努力してきたが、昨年12月にプエルトリコで初めての感染が報告された。が、米国本土での感染例はまだない。

予防接種や特効薬は開発されておらず、蚊に刺されないようにすることが基本の予防策。実際、Zika Virus(ジカ・ウィルス)感染症ではないが、最近 フロリダ州でデング熱が局所的に流行した際(2010年Key West、2013年Martin County)には、 該当地域内の池などのたまり水を徹底的に消毒することで 感染拡大防止をはかったという。