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16年度診療報酬改定 多剤併用、残薬を“減らす”評価で医薬品適正使用推進 処方せん様式変更も

公開日時 2016/01/28 03:52

厚生労働省は1月27日、中医協総会に2016年度診療報酬改定の個別改定項目について提示した。高齢化が進展し、残薬・重複投薬、不適切な多剤投薬の問題が社会問題化する中で、“医薬品の適正使用”の推進を強く打ち出した。かかりつけ薬剤師が職能を発揮し、かかりつけ医と連携することで、多剤併用が指摘される複数疾患を合併する高齢者や精神科領域などでの適正使用を進めたい考え。具体的には、内服薬を減少させる取り組みを評価する「薬剤総合評価調整加算」、「薬剤総合評価調整管理料」、「連携管理加算」などの新設や、残薬についての取り組みを促す処方せん様式の変更を盛り込んだ。製薬企業にとっても、医療環境が変化する中で、高齢化や多剤併用、残薬などを切り口とした医薬品の適正使用推進に向けた情報提供が迫られることになりそうだ。

新設される薬剤総合評価調整加算は入院時、薬剤総合評価調整管理料は、外来受診、在宅患者について、向精神薬など多剤併用の状況に陥っている高齢者の処方薬剤を減らすことを評価する点数だ。6種類以上の内服薬を処方されていた入院患者について、効果、副作用を総合的に評価し、退院時に2種類以上減少した場合を評価されることになりそうだ。連携管理加算は、外来受診、在宅患者において、別の保険医療機関、保険薬局に照会、情報提供を行った場合算定できる。また、医師と連携して減薬した取り組みを評価する「重複投薬・相互作用防止加算」は、これまで算定できなかった同一保険医療機関の同一診療科でも算定できるよう拡大される。ただし、処方変更がない場合については評価を廃止し、処方を変更した場合のみ評価されることとなる。

◎残薬対策に分割調剤も 調剤料や一包化加算も見直しへ


残薬対策としては、残薬への対応を明記するよう処方せん様式を変更することや、調剤後の継続的な服薬的な管理の手厚い評価、30日を超える長期投薬の際の分割調剤の考慮、などを盛り込んだ。

処方せん様式は、残薬が確認された場合の対応として、▽保険医療機関へ疑義照会した上で調剤、▽保険医療機関へ情報提供-のいずれかの項目にチェックをつける形が検討されている。これにより、保険医療機関と保険薬局が円滑に残薬確認、残薬を伴う日数調整ができるよう後押しする。

調剤後の継続的な服薬管理については、服用中の薬剤を袋に入れて保険薬局に持参してもらい、服薬管理を進める(いわゆる“ブラウンバック”)取り組みなどを評価する。患者や患者家族が保険薬局に持参した服用薬の整理などの服薬管理を行い、その結果を医療機関に情報提供した際にも外来服薬支援料を算定できるよう拡大する。また、分割調剤の範囲をこれまでの長期保存が困難な場合や後発医薬品を初めて使用する場合だけでなく、患者の服薬管理が困難である場合なども可能にした。多剤併用の原因として診療側から指摘されていた30日を超える長期処方を行う際、患者の病状や服薬管理が安定していない場合には、再診や他院の紹介に加え、「患者の病状は安定しているが服薬管理が難しい場合には、分割指示処方せんを交付する」ことも明記された。

一方で、これまで処方薬の剤数に応じて点数が伸びてきた内服薬の調剤料や一包化加算は見直す。一元的・継続的な服薬管理を包括的に評価する“かかりつけ薬剤師包括管理料”でも調剤料も含めて包括化されている。これまでのような処方薬の剤数に応じた評価から患者ひとりへの評価へと大きく舵を切った。つまり、薬剤師側からみれば、処方の剤数を増やすことのメリットは16年改定で大きく減少するとみられる。

◎かかりつけ医 向精神薬などで多剤投与は引下げ範囲拡大


かかりつけ医の評価でも同様に、処方薬剤数を減らす方向性を明確に打ち出した。向精神薬の多剤投与をする際の処方料、処方せん料、薬剤料減算の拡大や、医学的管理が不十分なまま向精神薬が大量処方された可能性の高い患者については通院・在宅精神療法などの評価を新たに引き下げる。また、今回新設された認知症患者に対する主治医機能を評価する「認知症地域包括診療料」でも、1処方につき▽5種類を超える内服薬がある、▽抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬を合わせて3種類を超えて含む―場合には、算定できないとしている。

◎お薬手帳 2回目以降で薬歴管理料低く 継続来局うながす


不適切な多剤併用や残薬を解消し、医薬品の適正使用を進めるためには、お薬手帳などを介した患者の服薬状況の一元管理が重要になる。薬剤服用歴管理指導料は、初回来局時の点数に比べ、2回目以降の点数を低くする。患者負担が軽減されることで、患者にとって継続的に同じ保険薬局に来局することのインセンティブを感じてもらい、継続的な来局を促したい考えだ。保険薬局にとっても、継続的にお薬手帳を活用した服薬管理を行うことで、手間が省ける。一方で、手帳を持参していない患者や、大型門前薬局など調剤基本料の特例対象となる保険薬局では、来院回数にかかわらず、初回来局時と同じ点数を算定する。少なくとも過去1年分の服薬情報を一覧的に閲覧できることや、データ移行ができるなど要件を満たした電子お薬手帳については、紙媒体と同様の点数の算定も可能になる。
 

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