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中医協総会 オプジーボの薬価再算定時期、手法が議題に浮上 「最適使用推進GL」策定に各側合意

公開日時 2016/07/28 03:52

中医協総会は7月27日開かれ、抗がん剤・オプジーボの薬価にかかわる「特例的な対応」をめぐり、診療側から再算定を期中に行う場合の診療報酬本体への財源振り替えまで踏み込んだ意見が出た。消費税増税先送りなどで、財源確保は厳しさを増す中で、期中改定の実施はひとつの選択肢として俎上にあがることになる。この日の中医協では、診療側から期中改定の実施による病院経営への影響を懸念する声があがった。期中改定は毎年薬価改定の実施へとつながる懸念もあり、製薬業界側の反発は必至。8月以降の中医協薬価専門部会では、診療報酬への影響などを踏まえて、実施時期や手法をめぐる議論となりそうだ。高額薬剤への施策の柱のひとつである、医師要件、施設要件、患者要件を明確化する「最適使用推進ガイドライン」の策定に診療、支払の各側が合意した。

厚労省はこの日の中医協に、オプジーボなどの高額薬剤への当面の対応として、①薬価にかかわる特例的な対応、②最適使用のための取り扱い――を柱とした施策を提示した。(本誌既報。記事はこちら

オプジーボは「2016年薬価改定における再算定の検討に間に合わなかった薬剤であって、効能・効果等の拡大により大幅に市場が拡大したもの」と位置付けた。厚労省保険局医療課の中山 智紀薬剤管理官も、「昨年12月以降に効能拡大されたものは間に合わなかった薬剤という位置づけになる」と説明。「期中改定も含めてどうすべきか、やるべきなのか。やるならどういう手法があるのか、こういうことについて議論させていただきたい」と述べた。


◎鈴木保険局長「薬価の引き下げを全く戻さない場合は医療機関にマイナスの影響」


これまで診療側が「薬価収載された医薬品の効能・効果が変更された場合、その時点で薬価を見直す仕組みを作るべき」などと効能・効果が追加承認された際の期中改定を積極的に求めてきた経緯がある。しかし、この日は一転して慎重な姿勢を示した。

診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「市場拡大再算定は、毎年次の予算編成に重大な影響を及ぼす」と指摘した上で、「薬価改定財源は、本体改定財源に充当すべきだという。この考え方に変化はあるか」と質した。

これに対し、厚労省保険局の鈴木康裕局長は、「約8兆円の薬剤費のうち、相当分が医療機関で使われている。薬価の引き下げを医療機関に全く戻さない場合には医療機関にマイナスの影響がある」との認識を示した。その上で、「その部分を考えた上で今後どうするか。すべて薬価の引き下げ財源を医療機関にまわすべきかどうかは議論がある」と述べた。

中川委員は、過去数回の改定で薬価改定財源が本体にすべて振り替えられていないことを踏まえ、「薬価改定財源が本体改定財源に充てるということが担保されれば、市場拡大再算定も期中改定も理解できる」と述べた上で、「市場拡大再算定を期中に行うということは、非常にリスキー。国民皆保険は提供側のこともあるので、国民皆保険が崩れてくるということにもつながりかねない。慎重にやらないといけないと強く思う」と指摘した。


◎最適使用推進ガイドライン PMDA増員で2017年度予算概算要求へ


もうひとつの施策の柱である最適使用推進ガイドラインは、承認段階で、製薬企業が作成した適正使用ガイドを素案として、PMDAと関係学会が科学的根拠に基づいて策定。保険収載時に留意事項通知などで周知徹底することで、実効性を高める。保険上の取り扱いは、該当しない場合に保険算定しないなどの措置を含めて、今後中医協で議論されることになる。年内を目途に結論を得る方針。当面は、抗がん剤・オプジーボ、高コレステロール血症治療薬・レパーサ、その類薬のプラルエントについてガイドラインを策定することになるが、今後は新規作用機序医薬品で一定の市場規模を満たす薬剤などでガイドラインが策定されることになる。

このための必要な人員として厚労省医薬・生活衛生局は、PMDAの増員を8月の2017年度予算の概算要求に盛り込む方針。この日の中医協でも、厚労省医薬・生活衛生局の医療機器審査管理課の磯部総一郎課長は、PMDAが審査期間の短縮に力を入れる中でGL策定にはさらなる体制整備が必要と指摘。「PMDAの体制強化もあわせて必要だということで付言させていただく」と述べた。

ガイドラインは、▽対象医薬品の使用が最適だと考えられる患者の選択基準、▽対象医薬品を適切に使用できる医師・医療機関等の要件――を盛り込む。ガイドラインの素案となる小野薬品が活用する適正使用ガイドにも、医師要件・施設要件、投与対象患者の要件などを明確にしている。医師要件・施設要件としては、がん専門医であることに加え、施設要件に「CT画像診断検査を直ちに実施できる」など、間質性肺炎などの副作用マネジメントを迅速に行えることが盛り込まれている。患者対象としても、間質性肺炎の合併・既往患者を除くことなどが明記されている。ガイドラインに盛り込まれる具体的な施設要件などは今後検討されることになるが、薬剤師や看護師などの配置なども含め、安全性を確保するために必要な体制を整備できるような基準が検討されることとなりそうだ。

ガイドラインは改定も視野に入れており、将来的には、医療情報データベース「MID-NET」などを活用して市販後の最適使用に関連する情報を吸い上げ、改定していく方針。

対象となる医薬品について磯部課長はムコ多糖症を例にあげ、「患者数も少なく、ほかの用途がなかなか考えられない、医療機関も限定される」医薬品については、オプジーボのような投与する医療機関が多く患者数も多い医薬品に比べ、「相対的に必要性が低い」と説明。「当面の間、新規作用機序医薬品であっても検討外」との考えを示した。


◎診療側 保険給付範囲の維持、医師の裁量権への配慮求める

ガイドラインについて診療、支払各側が了承したが、診療側の中川委員は「肝に銘じておかないといけないのは、保険給付範囲の縮小につながらないこと」と述べ、支払側の吉森俊和委員( 全国健康保険協会理事)も「保険適応がきちっとできる。安心して医療が受けられることが重要だ」と述べた。

また、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「支払基金が厳格に査定する、定量的な、皆がわかりやすいようなガイドラインが必要。医師の判断によって左右されるガイドラインでは(支払いが)青天井になってしまい、意味がない」と指摘。これに対し、中川委員が「どんなガイドラインを作ったとしても、医師の裁量権は絶対的に担保されなければ、医療にならない」と述べ、支払基金の審査においても個々の患者の状況や医師の裁量権に配慮することを求めた。

 

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