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EMA 承認迅速化に向けて臨床試験効率化 Adaptive Pathway試行で報告書公表

公開日時 2016/08/31 03:50

欧州医薬品庁(EMA)は8月3日、2014年に開始した、承認迅速化を目的とした仕組みであるAdaptive Pathway(AP)のパイロットプロジェクトが終了したと発表した。

APは、画期的医薬品のなかでも感染症、アルツハイマー型認知症、変性疾患および希少疾患などアンメットメディカルニーズのある薬効分野で、患者にできるだけ迅速に医薬品を届けるため、臨床試験で便益を得られると思われる少数患者の集団のデータで承認申請を可能とする。臨床試験にかかる時間の短縮化する一方で、承認後に追加データを集積。安全性・有効性を再確認後、効能追加もしくは使用制限を行うなどをする仕組みだ。APでは、開発者がAPの対象となるとことを申請し、一定の要件を満たせば早期にEMA、医療技術評価(HTA)機関などの助言を受け、臨床開発に着手できるという流れになる。

2014年3月に開始したパイロットプロジェクトでは、規制当局、HTA機関、医療専門家、患者など幅広い関係者にアンメットメディカルニーズのある領域で、医薬品のライフサイクルを通じてデータを集積するには前向きな臨床計画が必要であることが合意された。

EMAはパイロットプロジェクト開始時点で、APのコンセプトの具体化を模索するためにすでに開発中の薬剤を対象とした。EMAは、▽当該医薬品が極めて小規模な患者集団からじょじょに大規模集団な臨床試験を実施し、段階的に承認を受ける、▽開発者による市販後エビデンス収集の実施義務がある――ことなど一定の条件を満たす開発品について進行中の開発計画を提出させた。

パイロットプロジェクト実施中にEMAは62件のAP申請を受理。このうち18件で、EMA以外の関係者も参加した面談が実施された。このうち、6件がAPを進行させるためにEMAおよびHTA機関からの正式な助言を受ける段階に進んだ。大半の申請はAPに相応しくないと判断され、通常の開発プロセスで進めるよう助言された。EMAは、APはより多数の医薬品が適合されるように洗練されるべき開発途上の段階にあると見ている。

EMAは、今回のパイロットプロジェクト実施により、AP適用への候補物質を選択を容易にできるように患者が(臨床試験に)関与する機会を増やす必要性、効能・効果の評価を裏付ける実臨床におけるエビデンスを収集する方法論の定義、および価格戦略のための価格および保険償還に決定権をもつEU加盟国機関を関与させる必要性-などが明らかになったと説明している。

EMAは、APについての関係者の意見や提案を聴取するために2016年12月8日にワークショップを開催する予定。

 

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