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PhRMA・ジョンソン在日執行委員長 薬価制度抜本改革論議、業界と協議を

公開日時 2017/02/02 03:51

米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会のパトリック・ジョンソン委員長(日本イーライリリー社長)は2月1日、東京都内で定例会見し、2017年中に結論を取りまとめる薬価制度抜本改革について、「製薬企業を含む全てのステークホルダーが協議に参画することによってのみ成功する」と述べ、製薬業界が議論に参画する必要性を強調した。抜本改革によって“国民皆保険の持続性”と“イノベーションの推進”の両立をはかるとの日本政府の目標に対しては、人口動態や伸び続ける医療費の動向を踏まえて「その変革の根拠はよくわかっている」と理解を示し、「共通の目標を達成するため、日本政府に積極的に協力する」と表明した。

新薬開発には長期にわたる投資判断が必要となる。このためジョンソン委員長は、「我々の業界は予見可能性を大変重視している」と繰り返し訴えた。毎年改定などを盛り込んだ“薬価制度抜本改革に向けた方向性”が16年末に、政府の経済財政諮問会議を中心に4週間程度で策定・発表されたことに、「大変驚き、失望した」とその時の心情を吐露。予見可能性が損なわれる突然の制度変更が行われると、「(各企業の)対日投資に悪影響が出ると危惧する」と述べ、特に臨床研究、基礎研究、生産、雇用確保――にマイナス影響を及ぼすと指摘した。

ただ、「我々を含む全てのステークホルダーは、財政(=医療費抑制、国民皆保険の持続)とイノベーション推進のバランスがとれていることを求めていると思う」とし、両者の最適バランスを確立していく必要があると話した。そして、「抜本改革の議論に参画させてもらいたい。我々は世界中の取り組みを見てきた。何が機能し、何が機能しないのかを提案させてほしい」と述べた。

■「すべての介入策に反対しているわけではない」

ジョンソン委員長は、国民皆保険の持続とイノベーション推進の両立に向け、「私たちはすべての介入策に反対しているわけではない」と述べ、▽適応追加で急激に市場が拡大する場合の緊急的な薬価再算定(例:2月1日に実施されたオプジーボの非小細胞肺がん適応追加に伴う緊急的薬価引き下げ)▽薬価と市場実勢価格に「大きな開きがある場合」(ジョンソン委員長)の毎年改定――は容認する姿勢をみせた。

ただ、ジョンソン委員長は、“急激に市場が拡大する場合”や“大きな開きがある場合”とはどのようなことを指すかに触れておらず、これら項目に対する容認姿勢は今後の詳細な制度設計次第といえそうだ。

■認知症 薬物療法で施設入所30か月先延ばし、社会的コストの低減に

イノベーションの推進施策では、特にゼロベースで見直すとされた新薬創出等加算の制度化や、欧米にある画期的新薬を条件付きで早期承認する仕組みの日本導入を求めた。

ジョンソン委員長は、イノベーション推進策はコスト増の側面だけではないとし、例えば▽革新的新薬によって日本のがん死亡率は20%減少し、なかでも胃がんでは45%減少した▽認知症患者に既存薬を9か月以上使用した場合、施設入所タイミングを30か月先延ばしでき、家族の負担軽減にもつながった――といったデータを紹介。その上で、「(薬物療法による)社会的コストの低減事例はいくつもある。がんの生存率向上、認知症患者の施設入所を遅らせられることは、非常に大きな社会的コストの削減ポテンシャルになる」と述べ、今後の協議の場でもイノベーション推進と社会的コストとの関係を説明し、理解を得ていく考えを示した。

【おことわり】
下線部を追記しました。(2月2日11時40分)

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