【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

厚労省・森審議官 最適使用推進ガイドラインは「医師の裁量を不当に制限しない」

公開日時 2017/02/10 03:50

厚生労働省の森和彦大臣官房審議官(医薬担当)は2月9日、レギュラトリーサイエンス学会シンポジウムで講演し、最適使用推進ガイドラインについて「医師の裁量を不当に制限するものではなく、患者が理不尽な思いをしないで使えるようにするための道しるべだ」と述べた。最適使用推進ガイドラインは、革新的な新薬などについて、臨床試験などのエビデンスを踏まえ、施設要件、医師要件、患者要件を明確化する。ガイドラインに沿わなければ医療保険の適応としないことで、薬事、保険の両面から最適使用を推進する。臨床現場からは、個々の症例に応じた医師の裁量を阻害するとの懸念もあがっていた。

最適使用推進ガイドラインは、8日の中医協で、抗PD-1抗体・オプジーボ、キイトルーダに策定され、昨日の中医協で初めて了承されたばかりで、その具体的な制度設計に注目が集まっている。

ガイドラインの策定対象は、新規作用機序の医薬品。オ-ファンドラッグは、限られた専門医が投与することが想定されるため、対象から当面の間、除外されている。森審議官は、対象となる医薬品のイメージとして、“全く新しい作用機序の医薬品”と説明。さらに、有効性、安全性で既存治療を大きく上回り、臨床現場が投与の判断に迷いが生じるほど、画期的な医薬品だと説明。「対象はかなり絞られることになる」と述べた。

その上で、画期的な医薬品であるがゆえに、「裁量があるから使うということになると、みすみす危ないこともある」と指摘。現在策定されている抗PD-1抗体・オプジーボはすでに臨床現場で用いられていることから、処方を制限するイメージが先行しているが、ガイドラインは、患者の安全性を担保し、最適使用を推進することで育薬をサポートするツールと言える。森審議官は、「ちゃんと使いこなせれば、多くの患者さんに非常に多くの恩恵があろう医薬品については、適切な道筋で範囲が拡大されるようになる。その道筋をガイドラインが創る」と説明した。ガイドライン策定には、関係学会や専門医も参画していることも紹介し、医師の裁量にも配慮する姿勢を示した。


◎抗PD-1抗体では治療中止時期のエビデンス構築で改訂も視野



改訂頻度も注目されるが、「あらかじめ決められる話ではなく、答えがない」と述べた。ただ、適応追加の時点のほか、投与方法を変える新たな知見が得られた場合には改訂されることとなる。現在ガイドラインが策定されている抗PD-1抗体については、抗PD-1抗体の投与を中止しても一定の効果を維持できる可能性も報告されており、安全性や経済性の観点からも、投与の中止が可能かどうか注目されている。森審議官は、「止め時をはっきりさせることが必要。データが出てき次第、改訂する」と述べた。


◎疾患レジストリー活用で高齢化時代のクリニカルクエスチョンに解を



森審議官はまた、疾患レジストリー(クリニカル・イノベーション・ネットワーク)や医療情報データベース(MID-NET)の構築に国をあげて取り組んでいることを紹介した。開発のために実施されるランダム化比較試験(RCT)にかかる莫大なコストが製薬企業に重くのしかかる中で、イノベーション推進の観点からも臨床研究の効率化の重要性が高まっている。こうした中で、医療ICTを基盤した疾患レジストリーを活用した臨床研究の実施は、バイオマーカーの確立と並んで重視されている。欧米でも、レジストリー構築に積極的に取り組んでおり、GCPも改正される見通しだ。


森審議官は、「RCTは70年間の歴史があり良さがあるが、それだけでは対応できないケースがある」と指摘した。高齢化が進展する中で、高齢者は個体差が大きく、また複数の疾患を合併する患者などに対して臨床現場では、治療の選択に悩むケースも少なくない。ただ、医薬品の開発などに用いられるRCTは、患者の選択基準を満たした患者のみ登録されることから、臨床現場に多い患者像とのギャップも大きい。森審議官は、「現場からはかけ離れた状況で得られたRCTのセッティングだけで臨床現場のクリニカルクエスチョンに答えるのは無理だ」との認識を示した。一方で、疾患レジストリーであれば、高齢者や複数の疾患を合併する患者を追跡することも可能となることから、レジストリーの活用により一定の解が得られることに期待感を示した。

また、開発から市販後まで一貫したインフラ整備を進めていることから、患者が全国に散らばっている希少疾患などで疾患レジストリーは有効なツールとの見方を示した。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

ボタン追加
【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(4)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー