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中医協総会 かかりつけ医機能で議論開始 多職種間をつなぐ医療ICTの評価が論点

公開日時 2017/02/23 03:50

厚生労働省は2月22日の中医協総会に、2018年度診療報酬改定の焦点となる“かかりつけ医機能”について考え方を示した。従来の主治医機能に加え、日常診療から在宅療養までを横断的につなぎ、多職種連携の軸として患者を診る役割を担う。医師一人で患者を24時間診ることが難しい中で、急性期病院の専門医や在宅医、保険薬局の薬剤師、さらには介護職を含めた地域医療連携の中心的役割が求められる。次期改定においては、かかりつけ医と医療・介護職の円滑な連携構築に向け、医療ICTを活用した診療情報の共有化をどう評価するかも論点となりそうだ。

主治医機能については2014年度診療報酬改定で、生活習慣病を複数合併する患者の一元管理に対する評価として地域包括診療料、地域包括診療加算を新設。16年度改定で要件が緩和された経緯がある。診療報酬、介護報酬同時改定となる18年度改定では、高齢化が進展する中で、地域包括ケアシステムの軸を担う、かかりつけ医機能をいかに評価するかが焦点となる。


厚労省はこの日、かかりつけ医のイメージとして、これまでの主治医機能に加え、予防・外来、入院、在宅における療養まで横断的に患者を診る姿を示した。生活習慣病患者を例にとり、①生活指導や治療方針の決定、服薬管理、治療効果の評価など日常的な医学管理と重症化予防、②合併症や急性増悪時の専門医療機関との連携、③ADLが低下し、通院が困難になった場合、在宅療養支援、介護との連携――といった3つのフェーズでの役割があるとした。服薬管理では薬剤師との連携、在宅療養では介護との連携など、多職種連携の軸となる姿を描いた。


◎ICT活用で多職種連携、機能分化



連携には、患者情報や診療情報の共有化が必要になる。厚労省は、まめネット(島根医療情報ネットワーク)、晴れやかネット(医療ネットワーク岡山)、とねっと(埼玉利根保健医療圏)を列挙。さらに、米国では電子カルテの患者情報共有を基盤とする患者中心のメディカルホームモデルも紹介した。医療ICTを活用した情報の共有化を行い、それぞれの職種の役割分担を明確にし、負担軽減を実現する具体例を示した。

支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「かかりつけ医の機能としてチーム医療は大切だ。何もかも一人でやるのではなく、訪問看護ステーションや薬剤師が働く施設がある。かかりつけ薬剤師も24時間対応が要件となっている。チーム医療に変革するのが方向性だ」と述べ、チーム医療を推進することの重要性を強調した。一方、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「地域包括ケアシステムで多くの職種が連携してそこに医療だ。その主導的な役割を果たすのが、かかりつけ医だ」と述べ、多職種が水平に連携するモデルには疑問を呈した。また、「医療ICTは、医療の主役ではない。診療を補完するツールである。次の改定の主役ではないはずだ」と強調。これに対し、支払側の幸野委員は、「最終的には医師の責任だと思うが、すべてを医師がやらないといけないというわけではなく、役割分担して医師に報告すればいいのではないか。ICTを使って機能分化しようということだ」と述べた。


◎診療側 登録制やフリーアクセスへの懸念も

厚労省はかかりつけ医の例として、▽英国(選択した診療所のみ受診が可能で、GPから専門医を紹介)、▽フランス(通常は3割負担だが、かかりつけ医を通さずに専門を受診した場合は7割負担)、▽ドイツ(9割の国民が登録家庭医と契約、登録家庭医から専門医を紹介)--を例示した。これに対し、診療側からは登録制やフリーアクセスの緩やかな制限を敷くことへの懸念が噴出。日本は専門医がGPとなっているケースも多いことから、診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)「病気の数だけ、かかりつけ医がいる人もいるが、それでいいのか」との声もあがった。これに対し、厚労省保険局の迫井正深医療課長は、「医療保険上は、必要な医療を提供することを制限していない」とした上で、国民は一元的な管理や必要に応じて専門医を紹介する“かかりつけ医”を望んでいるというデータを紹介し、「その思いに沿っているか議論していただきたい」と述べた。


また、2013年の社会保障制度国民会議の内容について、国民の大病院志向が医療現場を疲弊させてきたと説明。「効率的な運営も含めて、広く解釈されたフリーアクセスというところに弊害が大きい」とも述べた。フリーアクセスを堅持する上でも、緩やかなゲートキーパー機能を有する、かかりつけ医の普及が必須と説明した。ただ、「単一の医療機関を義務付ける、制度上制限するということはない。複数の医療機関、医師とチームを組むことが必要だということ」と述べ、チームでかかりつけ機能を発揮することを念頭に置いていることも明らかにした。

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