MSD・ウェストハイゼン社長 医薬品情報提供へのデジタル活用を強化
公開日時 2017/04/05 03:50
MSDのヤニー・ウェストハイゼン社長は4月4日、東京都内で開いた年次事業説明会で、医薬品情報提供活動について「テクノロジーは進化している。その中で進化させていく方法としてデジタルチャネルを活用するなどし、顧客へリーチできるよう進展の早いテクノロジーを活用していく必要がある」と述べ、デジタルツールの活用を強化し効率化を図る姿勢を示した。特に、主力製品のがん免疫療法薬キイトルーダでは、計画する適応がん腫の拡大により、多岐にわたる専門医への情報提供、安全性情報の収集の徹底が必要になることから、デジタル活用を含めた効率化を「継続的に検討していかなければならない」と述べた。
同社長は、MRによる対面による情報提供は引き続き必要だとする一方で、eメールの活用やバーチャルミーティングなどを挙げ「様々なツールで幅広く提供していく」とした。約2200人のMR体制に対する今後の方針や、がん専門MRをどの程度の陣容にするのかについては明らかにしなかった。
同社長は、情報提供活動について、同社が取り組むイノベーションの一環だと強調。そのうえで「市場には、医師以外にも様々なステークホルダーがいる。この中で私どもが継続的行っていかなければならないのは、情報提供のやり方をどう継続的に進化させるかだ」と指摘し、デジタルツールの活用の強化を挙げた。
2016年国内売上高は7.8%減
MSDが同日に発表した2016年業績は、国内売上高約3120億円、15年と比べ7.8%減だった(薬価ベース)。製品ごとの売上高や前年との増減は今年は非開示で、薬価改定と長期収載品の売上減の影響によるものとだけ説明している。17年の具体的な業績見通しも開示しておらず、がん免疫療法薬キイトルーダ、経口C型肝炎治療薬エレルサとグラジナの新薬などで「成長を加速させる」としている。DPP-4阻害薬ジャヌビア、マリゼブ、不眠症治療薬ベルソムラなどプライマリーケア領域も「注力と拡大を継続させる」としている。