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GE薬協 錠数換算のGEシェアは16年度64%に 目標達成目前も財政効果は限定的か

公開日時 2017/04/07 03:52

日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は4月6日、超党派の医療産業議員連盟の勉強会に、後発医薬品の錠数換算でのシェアとして2016年度は64%、672億錠相当になるとの見通しを示した。積極的な設備投資などもあり、80%目標達成に向け順調な進捗である一方、分母にあたる「後発医薬品のある先発品+後発医薬品」は15年の推定値を下回っており、実処方の観点からは全体的に伸びが鈍化していることも示された。後発医薬品による医療費削減効果は、先発品の置き換えにすぎないことから、仮に数量目標をクリアしたとしても、財政効果は当初の試算を下回る可能性も出始めている。


GE薬協の提出資料によると、15年度の後発医薬品の実績値は613億錠相当(56%)、16年度の見込み値は672億錠相当(64%)であることを示した。また、17年央の70%をクリアするには約770億錠相当、18~20年度の80%達成には約950億錠相当が必要となるとの見通しを示した(文末のダウンロードファイル参照)80%目標が示された2015年以降、各社が集中的な設備投資を行ったこともあり、現時点ではさらなる設備の投資をせずに、必要量を安定供給できる可能性が高いという。


一方で、分母にあたる「後発医薬品のある先発品+後発医薬品」は、13年度に1067億錠、14年度に1076億錠、15年度に1095億錠、16年度に1050億錠と推移。後発医薬品80%目標が決められた2015年時点では1144億錠と推計しており、100億錠近くの開きがある。さらに、オーソライズド・ジェネリック(AG)の伸びが大きいことを踏まえると、見かけ上と異なり、ジェネリックメーカーには厳しい数字だったと見る向きもある。2016年度診療報酬改定では、残薬や多剤投与対策へのインセンティブや、かかりつけ薬剤師制度の新設により、服薬の一元管理が進められており、生活習慣病市場などで、投与される薬剤数が減ったことの影響を指摘する声もある。いわゆる分母が推定よりも減ったことで、医療費削減効果は当初の想定よりも小幅になるとの見方も出ている。


◎価格乖離の大きな品目の改定「国民負担軽減の観点から認めざるを得ない」


この日の議連では、焦点となる薬価の毎年改定に話が及んだ。毎年改定の対象品として「価格乖離の大きな品目」があげられており、後発医薬品が該当する可能性も高い。GE薬協はこの日の議連で、「GEは金額にすると規模が小さい。毎年改定をしても、財政効果は限られている」と主張した。ただ、「価格乖離の大きな品目を改定することについては、国民負担の軽減の観点からは認めざるを得ない。ただ、GEでも価格乖離の大きな品目と小さな品目がある」と述べた。


価格が高いとの声については、長期収載品の薬価を1としたときの後発医薬品の薬価は0.39で、すでに長期収載品の半分以下の水準であると説明。諸外国と比べても、「日本のジェネリック医薬品の薬価は決して高いとは言えない」と主張した。


◎再編は結果として進む 製造受託に特化する企業も


後発医薬品の品目が多いことが安定供給を阻害する一つの要因との見方もある。共同開発による受託に特化する企業や、販売だけに注力する企業なども多いことから、「実際には言われているほど、企業数は多くはない」とGE薬協は説明。製造受託に特化する道を選ぶ企業も出始めたことから、「企業の再編は結果として進む」、「製造受託に特化するようになると、品目も減ってくる可能性がある。自助努力も必要だ」などと述べた。


そのほか、後発医薬品80%時代の課題としては、原薬の迅速承認の必要性や、薬価削除された長期収載品の開発データの継承、先発メーカーとの添付文書の共同使用などをあげた。
 

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