AZ “追い出し部屋”に配置転換 労働審判から本裁判での争いへ
公開日時 2017/07/31 03:52
アストラゼネカ(AZ)の現役社員3人が5月に、いわゆる“追い出し部屋”に配置転換させられたとして地位確認や減給分の差額支払いを求めて東京地裁に労働審判を申し立てていた問題で7月28日、この案件は労働審判による解決は適当でないとの判断がなされた。今後は本裁判として東京地裁で争うことになる。
「仕事内容や置かれている状況が非常にひどい」(申し立て代理人の梅田和尊弁護士)として、平均2か月半と早期に結論が出る労働審判を申し立てていた(記事は、こちら)。労働審判は原則3回の期日があり、この日に第1回期日があった。しかし、3回で結論を得るのは難しいとの審判委員の判断により、労働審判法24条による審判の終了(=24条終了)となり、東京地裁で争うこととなった。
AZ広報部は本誌取材に、「係争中の案件については回答を控える」とした上で、「当社は建設的な対話を通じ解決に向けて真摯に対応する」とコメントした。
会社側が第1回期日に提出した資料の内容は明らかではないが、今回の労働審判や、7月の現役MR8人による集団提訴(記事は、こちら)のきっかけとなった、年功をやめて職務に見合った成果で評価する新職務等級制度「MRキャリアレベル」に関するものや、社員3人が“追い出し部屋”と指摘する資材管理・倉庫業務の重要性を訴える内容とみられる。
社員3人が5月に提出した労働審判の申立書によると、3人の社員はいずれもMR歴20年以上の元ベテランMR。降格・減給の基準や内容を定めた就業規則が存在しないにもかかわらず、会社側から詳細な説明なく一方的に導入されたMRキャリアレベルや成績下位者に適用される「PIP」(=業務改善計画)によって降格・減給され、MR職から極めて単純な資材管理・倉庫業務に配置転換となった。倉庫では1時間程度の消耗品確認などの仕事しか与えられなかった。給料は約30%減額された。