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2018年度診療報酬改定を諮問 地域包括ケアシステム実現へ入院・外来の報酬体系抜本的見直し

公開日時 2018/01/15 03:52

加藤勝信厚労相は1月12日、中医協(田辺国昭会長)に2018年度診療報酬改定について諮問した。今回の改定は、地域包括ケアシステムの構築が求められる中で、かかりつけ医を中核に病院や診療所、保険薬局、介護施設などとの連携を診療報酬上で評価する。このため入院医療では、急性期医療を担う7対1、10対1一般病棟入院基本料を抜本的に見直し、入院患者の診療実績に応じた報酬体系を導入する。一方、外来医療では、かかりつけ医の役割と機能を評価し、医療ICTの利活用や多職種連携の推進を通じた地域・エリア内でのネットワーク型医療へと舵を切る。中医協は、パブリックコメントや公聴会を経て2月中の答申を目指す。

◎入院医療―診療実績を報酬体系で評価


入院医療については、医療ニーズ(患者の状態や医療内容)と医療資源の投入量(看護配置等)に応じた報酬体系に見直す。現在の7対1一般病棟は悪性腫瘍の患者が多く、10対1一般病棟では肺炎、骨折、外傷が多い。厚労省が中医協総会に報告した入院患者の将来推計によると、悪性腫瘍患者は横ばいから減少、肺炎、心疾患、脳血管疾患や骨折は増加から横ばいとなっている。このため18年度改定では、一般病棟入院基本料(7対1、10対1、13対1及び15対1)について、基本部分と診療実績部分を組み合わせた評価体系に再編・統合し、新たに「急性期一般入院料」(仮称)と、「地域一般入院料」(仮称)の2区分とする。

なお、急性期一般入院料(仮称)の診療実績部分の段階的評価については、現行の7対1と10対1の間に中間的な評価を設定する。具体的には、7対1看護職員配置の届出実績があること及び、重症度、医療・看護必要度の基準について、診療実績データにより判定を行うことを要件化する考え。

そのほか、10対1入院基本料を算定する全ての医療機関や、一部の回復期リハビリテーション病棟入院基本料、療養病棟入院基本料を算定する医療機関にも、データ提出加算の算定を入院料の要件とする。これにより各医療機関とも診療実績が評価される格好となり、人口減少地域を含む地域の実情や医療ニーズ、さらには地域医療構想に示された医療必要度などを加味しながら、病院の医療機能の分化・連携を図る体制を構築する狙いが込められる。

これまでの入院医療の現場は、診療報酬上も手厚い評価がなされる7対1入院基本料の取得を目指す医療機関が多く、急性期シフトが進んできた。ところが人口減少の進展に伴い、平均在院日数の短縮化に伴う病床稼働率の維持などの課題も浮き彫りとなっている。さらに地域医療構想の実現に向けた病床機能の再編も課題となっている。2018年4月から第7次医療計画がスタートする中で、自身の医療機関の実診療データをベンチマークすることで、医療機関自ら病床機能の転換を判断することを後押しする。地域医療構想の策定などを通じ、各地域で急性期医療のニーズが減少することが明白になる中で、7対1病床は段階的に減少していくことが想定される。

一方で、急性期病床の受け皿となることが想定される、「地域包括ケア病棟」については、役割を明確化する。在宅患者の急性増悪時の対応や、骨折などの一般急性期医療を担うことが期待されるが、今改定では、在宅医療や介護サービスの提供など、地域で求められる多様な役割を提供している場合の評価を拡充する。さらに、在宅からの患者の受け入れなどの加算要件として、医療機関との連携や患者家族の意思決定などの支援を行う体制の構築などが追加される。

◎外来医療 かかりつけ医を軸に地域医療ネットワーク構築へ

外来医療については、かかりつけ医の機能として、①予防・外来、②入院、③在宅療養-の各項目を評価する。特に、生活習慣病については「重症化予防、早期介入」を評価ポイントにあげている。このほか、専門医療機関への紹介、助言など、地域包括ケアシステムにおける連携の要的な役割を評価することにしており、精密検査や合併症、追加的治療の導入などについて、地域の病院との連携も強化する。さらに在宅については、介護支援専門員との連携や要介護状態等に応じた療養指導なども評価する方針。

地域の患者が健康について気軽に相談できることに加え、必要に応じて専門医への紹介などの機能を求めた。地域医療のハブとしての機能が期待される。なお、地域包括診療料については、24時間対応体制についての要件など実施者要件を緩和する。また、初診を加算などで新たに評価する。かかりつけ医機能を持つ診療所の普及が狙いにある。紹介状なしでの大病院受診も、500床から400床以上に拡大し、病診機能の分化・連携を進める。

◎医療ICT-遠隔診療などを評価

こうした医療機関同士の連携をさらに推し進めることになりそうなのが、医療ICTを活用した診療情報の共有だ。今回の改定では、遠隔診療について評価を新設。テレビ電話やメールなどの機能を活用した診療を、報酬上も評価する。具体的には、医師と患者の合意を前提に、事前の治療計画の策定や初診を対象としないことなどを前提に、新たな要件が示される見通し。

このほか、働き盛り世代の生活習慣病患者の治療継続にも医療ICTの応用が期待されている。糖尿病の透析予防推進のため、糖尿病透析予防指導管理料の腎不全期患者指導加算の対象患者を拡大することも盛り込まれる。これにより、地域包括ケアシステムにおける構想区域内での医療情報のネットワーク化に弾みがつくものと思われる。

◎かかりつけ薬剤師 医薬品安全対策のゲートキーパーに

地域医療における医薬品適正使用を推進する“病診薬連携”の姿を描く。このため、現行の基準調剤加算を廃止し、地域医療に貢献する薬局についての評価を新設する。新設する点数としては、一定時間以上の開局や医薬品の備蓄品目数などに加えて、薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整備を要件とする方針。いわば、地域における医薬品の安全対策のゲートキーパーとしての役割をかかりつけ薬剤師が担うことになる。複数の疾患を合併し、在宅で療養する患者の増加が見込まれる中で、医薬品の適正使用は重要性を増す。かかりつけ医とかかりつけ薬剤師が連携し、医薬品の適正使用を推進する絵を描いた。

かかりつけ医については、医療機関や介護保険施設と連携して行う医薬品適正使用についての取り組みを評価する。一方、保険薬局では、入院患者の減薬を評価する、薬剤総合評価調整管理料を算定する医療機関との連携も調剤報酬で評価することも盛り込まれた。

今改定では、長期処方や残薬についての疑義紹介の取り扱いを見直すほか、長期処方にかかわる分割指示の取り扱いも見直す。

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