中医協 阪大の「遺伝子パネル検査」の科学的評価結果を了承
公開日時 2018/10/18 03:50
中医協総会は10月17日、先進医療会議から報告された「Oncomine™ Target Testを用いたがん遺伝子パネル検査」の科学的評価結果について了承した。大阪大学医学部附属病院から申請があったもの。遺伝子パネル検査の先進医療としての実施が認められるのは、今回が3例目。遺伝子パネル検査は、数百の遺伝子変異の有無を一度に調べることで、最適な治療薬の選択などが可能になると期待されている。個別化医療の実現に向けて、同省は2019年度中の保険適用を目指している。
先進医療会議が報告した遺伝子パネル検査は、進行・再発の難治性固形がんの患者が対象。現在承認されている抗がん剤に関連するドライバー遺伝子のほか、治療選択に有益な遺伝子など厳選された46遺伝子を搭載している。他のマルチプレックス遺伝子パネルと比較すると遺伝子数は少ないが、DNAを用いたシーケンス解析に加えて、RNA を用いたシーケンス解析も行うことから融合遺伝子の検出に適している。主要評価項目は、アクショナブル遺伝子異常を有する患者の割合とその95%信頼区間。予定被験者数は200例としている。
先進医療にかかる費用は44万5000円。このうち研究費負担は20万円のため、患者負担は24万5000円となる。阪大では、「保険収載されれば、迅速かつ比較的低価格で高品質ながん遺伝子パネル検査の提供が可能になる」としている。