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田辺三菱 研究拠点を湘南アイパークに 遺伝子創薬でオープンイノベーション加速

公開日時 2019/04/13 03:52

田辺三菱製薬は4月11日、2つの研究拠点を閉鎖し、その一部を武田薬品の湘南研究所を開放して設立した「湘南ヘルスイノベーションパーク」(以下、湘南アイパーク)に拠点を移すと発表した。湘南アイパークでは遺伝子創薬に注力する方針で、ネットワークを通じたオープンイノベーションを加速させたい考え。同社が湘南アイパークに研究拠点を置くのは5月を予定する。武田薬品、あすか製薬に次いで製薬企業として3社目。

湘南アイパークに入居するのは、横浜事業所(神奈川県)と閉鎖予定の戸田事業所(埼玉県)にある、フロンティア創薬ユニットとモダリティー研究所に属す研究者を中心とした約250人。再編による人員削減は行わない。入居する研究者の中には、核酸医薬などの新たなモダリティーに注力する人員が含まれているという。湘南アイパークに拠点を置くバイオベンチャーや他業種の企業、ITベンダーなどと連携し、オープンイノベーションを進める。「遺伝子創薬による根治治療の実現」をテーマとした取り組みをスタートさせ、将来的には難病・希少疾患の予防から根治を対象とした医薬品や医療サービスの提供を目指す。

同社は、中期経営計画で“創薬機会を拡大する新たなモダリティー”の一つに、「遺伝子治療」をあげており、自治医大との共同研究なども進める。新たなモダリティーの実用化に向け、パートナリング(協業)の重要性も言及していた。湘南アイパークへの入居をきっかけに、新たな技術への挑戦を迅速、かつ強力に推し進めたい考え。

湘南アイパークは、“世界に開かれたライフサイエンスエコシステムの構築”をミッションに掲げる。これまで武田薬品がアンカーテナントの役割を担ってきたが、同社の入居で、「特定の企業や組織に染まらない中立的なプラットフォーム」としての発展が期待できる。湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャーは、「田辺三菱製薬の入居により多様な研究者同士の刺激的な交流が一層加速すると期待している」とコメントしている。

◎研究拠点、生産・技術拠点はともに2拠点に

田辺三菱製薬の研究、生産・技術拠点で閉鎖するのは、戸田事業所(埼玉県)と加島事業所(大阪府)。それぞれ20年3月末、21年12月末の閉鎖を予定する。国内の研究、生産・技術拠点の再編・集約は、2018年11月に公表した「中期経営計画16‐20」の見直しの一環。研究開発に重点的なリソース配分を割くとともに、研究、生産・技術拠点を集約化する方針を発表していた。

同社の研究拠点は湘南アイパークと横浜事業所(神奈川県)の神奈川県内2拠点となる。一方、生産・技術拠点は、小野田事業所(山口県)と吉富事業所(福岡県)の2拠点とする。小野田事業所には鹿島事業所のCMC研究機能を移管し、生産とCMC研究機能の連携を強化する。吉富事業所は、製剤の量産機能を担う。

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