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中外製薬・小坂CEO 人財は“適材適所”から“適所適材”へ 成果に見合う報酬制度導入

公開日時 2019/05/08 03:52
中外製薬の小坂達朗代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)は本誌との単独インタビューに応じ、同社の人財は、「適材適所ではなく、適所適材に変えていくということが大事だ」との考えを明示した。小坂CEOは、「人財は間違いなく、会社にとって最も重要な資産」と述べ、イノベーションの創出を牽引する多様な人財の育成・獲得に取り組む考えを強調した。「成果を出していただく人には、競争力のある報酬制度にしていきたい」とも述べた。同社は19年6月末時点で満45歳以上の正社員・シニア社員を対象とした早期退職優遇措置を4月1日付で実施し、MRを含む172人が応募したと発表している。(インタビュー 望月英梨)

◎新薬特化のメッセージは揺るがず イノベーションを創出できる人財を育成

同社は19年1月に策定した新中期経営計画「IBI21」の柱の一つに、「人財の強化と抜本的な構造改革」を掲げている。国内の市場環境について小坂CEOは、「日本市場は社会保障費の上昇で、国家財政が大変厳しい状況だ。ますます薬価引き下げの圧力が強まることは間違いない」と見通す。小坂CEOは、「新薬に特化していく。メッセージは明確だ」と言い切る。研究開発型の企業にさらなる深化を遂げるなかで、イノベーションを創出する人財の重要性は増す。

さらにデジタルなどの最新テクノロジーが医薬品産業を変える日も迫る。人工知能(AI)やIoT、ビッグデータが第四次産業革命を引き起こし、ビジネスが大きな環境変化が起きることが想定される。同社は、がん遺伝子パネル検査「FoundationOne CDx」を通じた個別化医療の進展などに舵を切る。小坂CEOは、「我々の産業にとってライフサイエンスとデジタルはキーワードだ」と語る。

◎「人ありきのポジション」でなく「ポジション重視の人財登用」へ転換

産業構造が大きく変化するなかで、求められる人財も変化する。同社の新中計IBI21でも、「イノベーションを支える高度かつ多様な人財の獲得・育成、および抜本的な構造改革」の必要性に言及する。▽リーダー人財の適所適材を推進するためのタレント・マネジメント実行体制の強化、▽戦略実行のキーとなる専門人財の獲得、▽挑戦的な風土を支える人事・報酬制度への変革、▽ダイバシティ&インクルージョンの一層の推進―による多様な人財の活躍を通じたイノベーションを産む企業風土の醸成をさらに推進する。一方で、コストや組織・プロセスの見直しによる構造改革とイノベーションへの投資による事業基盤の強化を明記した。

取材では、4月1日に実施した早期退職優遇措置の狙いなどについて質問したが、小坂CEOは明言を避けた。ただ、「これまで人ありきでポジションを考えてきた。しかし、ポジションがあって重要な人に担ってもらうという流れを作る」ことの重要性を強調した。成果を重視することで、「生き生きと働ける環境を作っていきたい」とも話した。過去最高益を打ち出した中外製薬が早期退職優遇措置に踏み切ったことに業界内から驚きの声があがった。ただ小坂CEOが発する同社の戦略を見る限り、従来路線の転換を成功させ、もう一段階ギアアップするための手段が「人財」の改革であることを顕著に表していることは間違いない。

◎営業、メディカル、医薬安全性の3本部を軸に“ソリューション”ビジネスにも注力

MRについても、オンコロジー領域を中心としたスペシャリティー領域を中心とする同社だけに、「専門的な知識」の重要性を口にする。そのうえで、「デジタルも活用していかなければならない」と強調する。

さらに組織力における強みと言えるのが、営業本部、メディカルアフェアーズ本部、医薬安全性本部の連携だ。3つの本部を“ソリューション3本部”と命名。連携を通じてコンサルテーション機能を充実させ、個別化医療への提案、地域医療や多職種連携への貢献など、顧客に応じたソリューションを提供し、ニーズに応えたい考えだ。なかでも力を入れるのが、安全性情報の提供だ。

「MRの適正使用情報、MSLのエビデンス作り、安全性という3本柱で、顧客にソリューションを提供する」と意気込みをみせる。時にはネガティブに捉えられることさえある副作用情報だが、「安全性情報は医療従事者にとって重要だ。中外は安全性情報に妥協しない」と息巻く。

医療従事者などからの自発報告のあった副作用情報をデータベース化。リアルタイムにアップデートし、医療従事者にフィードバックする。セイフティエキスパートと呼称する安全性専門のスタッフを置き、薬剤師を中心とした情報提供にも力を入れる。医薬品の適正使用について力を入れる同社の姿勢は、医療従事者からも「非常に評価が高いと聞いている」と自信をみせる。データベースも、副作用の自発報告だけでなく、「臨床試験のデータもリアルタイムで入れていく」として、データベースをさらに充実させる考えも示した。
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