武田薬品が、社員に違法な時間外労働をさせていたとして、労働基準監督署から2回の是正勧告を受けていたことが10日までにわかった。勧告は18年11月と19年4月の計2回。東京本社に勤務する内勤の社員に労使協定（三六協定）の上限を超えた長時間労働をさせていた。時間外勤務の申告漏れや、これに伴う残業代の未払いも指摘された。

同社は日本健康会議が認定する「健康経営優良法人」だったが、是正勧告を受けて自主返納した。同制度を運営する経産省によると、自主返納は6日付。同社広報部では、「関係法令の遵守と長時間労働者に対する労働時間適正化の取り組みに対して、より厳格に管理をしていく」とコメントしている。