帝人、福井経編、大阪医大 心・血管修復パッチの治験開始 小児の成長に合わせ伸長
公開日時 2019/06/12 03:50
帝人と生地メーカーの福井経編興業、大阪医科大学は6月11日、共同で開発を進めている伸長性のある「心・血管修復パッチ OFT-G1」の治験を始めたと発表した。心臓組織の一部が欠損するなどの先天的心疾患の治療に用いる。この材料は、強度と伸長性とともに、体内に埋め込んだ材料の一部が自己組織に置き換わる特徴を持つ。そのため身体が成長する小児患者に適し、再手術リスクを減らせるという。
2018年4月には、画期的な医療材料になりうるとして早期実用化を支援する厚労省の「先駆け審査指定制度」の対象になっている。既に心室中隔欠損症の4カ月の乳児を対象に治験の1例目を実施。現在は退院、今後は外来で経過観察をする。
これは大阪医大の心臓血管手術の豊富な知見と、福井経編の子どもの成長に合わせて一緒に伸長するパッチの開発、帝人のポリマー技術を組み合わせて創出された。国内上市を優先し、将来的には海外での事業化を検討する。