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厚労省・流改懇 11社176品目が仕切価変更 割戻の運用基準見直しは17社

公開日時 2019/07/01 03:52
厚労省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が6月28日開かれ、割戻しや仕切価の見直し、単品単価契約の増加など、流通改善が進んでいる状況が報告された。流通ガイドライン周知から2年目を経過する中で、これまでの商慣行を見直す動きが定着しつつある。ただ、2019年10月の消費増税改定に伴う仮需や年複数回契約となる価格交渉が煩雑になるなど、流通改善を後退させる要素も含まれるとして、流通当事者から警戒感が示されている。医薬品卸は上半期分の取引に関する価格交渉は8月中の妥結を目指す方針。厚労省医政局経済課の三浦明課長は、「起きたことを検証し、今回繰り返さない工夫が必要」と述べ、対応する姿勢を示した。また、「そのためのタイミングも含めて慎重かつ適切に行っていきたい」と強調した。

厚労省医政局経済課はこの日の流改懇に、2019年4月1日時点での「適切な仕切価・割戻し等の設定」に関する調査結果を報告した。それによると、「割戻の確認・仕切価への反映」の取組状況を製薬企業にたずねたところ、全回答の96.9%に相当する94社が「着手」していた。また未着手と回答した3社(3.1%)についても、5月までに着手するとしている。

◎割戻しの運用基準の変更―販促的な「品目割戻」を廃止、相当分を仕切価に反映など

次に「割戻しの運用基準の変更」について訊ねたところ、17社が実施したと回答した。変更の理由としては、「仕切価を修正するような割戻しを縮小して、相当分を仕切価に反映」や、販促的な品目割戻を廃し、「相当分を仕切価に反映」、「相当分を卸機能評価に基づく他の割戻し項目に組み入れ」などが見られた。このほかにも「卸売業者の流通経費を考慮し、各割戻し項目の算定率を調整」したとの事例も報告されている。

◎仕切価変更―アローアンス縮小分を仕切価に反映など


「仕切価の変更」も11社が実施したと回答した。仕切価を変更した製薬企業の内訳をみると、7社(150品目)が、流通改善ガイドラインの主旨を踏まえ、仕切価修正的な割り戻しの縮小や、「販促的な割戻しの廃止」、「仕切価に反映可能なアローアンスの縮小」など、それぞれ相当分を仕切価に反映するなどの措置を行っている。また、4社(26品目)は、後発品や競合品の上市などで医薬品の価値に変化があったことを踏まえて仕切価を変更したとしている。17年4月時点での実績が2社(31品目)だっただけに、大きな進捗がみられた。

◎単品単価取引割合 200床以上病院79.1% 調剤薬局97.2%


18年度の単品単価契約率も200床以上の病院で79.1%(22.9%増)、20店舗以上の調剤薬局で97.2%(34.9%増)と大きく進捗した。ただ、200床以上の病院では上期に比べ下期で単品単価契約率は低下する傾向となった。妥結率は95.8%。一方で、長期による未妥結となっている例としては、総価による交渉が行われ、当事者間で長期未妥結となっている事例や、年間を通じて前年度の総値引き率などに基づく総価による交渉が行われ、当事者間で長期間未妥結になっている事例が報告されている。

◎製薬協 単品単価契約の進展を評価

日本製薬工業協会(製薬協)の長坂良治委員(製薬協流通適正化委員会委員長)は、ガイドライン適用後に単品単価契約が進展したことを評価したうえで、「総価を目安に単品ごとの価格を決める交渉も多いのではないかと推察する」と指摘。個々の医薬品の価値に基づく単品単価交渉での単品単価契約を改めて求めた。日本医薬品卸売連合会(卸連)の中原岳志氏(卸連卸・薬価問題検討委員会委員長)は、過大な値引き交渉については一定の改善が図られたとしたうえで、適正な流通コストを考慮した交渉を行うことを求めた。

◎10月の消費増税改定 流通改善後退への危機感も

さらに、10月に予定される消費増税改定では、長期収載品の価格が引き下がる一方で、新薬創出等加算品目や基礎的医薬品などの一部品目は価格が上がる。中原氏は、上半期の交渉で部分妥結が増加することへの懸念を表明。「薬価が下落する品目について返品や買い控えが見込まれ、欠品を避けるための急配の増加が考えられる。薬価が上昇する品目については駆け込み需要の発生が考えられ、流通改善が後退すると危惧される」と危機感をあらわにした。そのうえで、「本体薬価による価格交渉が不可欠」として、消費税表示カルテルについて医療機関に改めて理解を求める必要性も強調。薬価からの値引き率と、表示カルテルに準拠した本体薬価からの値引き率を併記した見積書などを活用する考えも改めて示した。

このほか、この日の流改懇では、後発品などをめぐる医薬品の安定供給や返品などにも意見が集中。返品について卸連は、拡販政策による余剰品を理由とした返品は減少傾向にあるとした一方で、「在庫調整を理由とした返品の割合は増加傾向にある」と指摘。「月次在庫圧縮を目的とした返品の削減に取り組む」必要性についても言及した。
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