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成熟B細胞腫瘍は血液がんの4割 国がん・血液がんの詳細分類で初公表

公開日時 2019/08/08 03:52
国立がん研究センターは8月8日、血液がんの分類別の症例数を公表した。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫など成熟B細胞腫瘍が最多で、血液がん全体の43.6%を占めた。血液がんを詳細な分類別に分け、症例数を公表したのは初めて。これまでの調査では、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、その他の造血器腫瘍の4分類で集計していたが、今回はWHO血液腫瘍分類に基づき13分類で集計した。国がんでは、「国際分類が新しくなったことから、より臨床の先生に使っていただけるデータを出した」と説明している。データの詳細は、国がんのがん情報サービス がん登録・統計の統計ページで公開されている。

集計は、がん診療連携拠点病院等で2017年にがんと診断された症例を分析したもの。今回は全国842施設から寄せられた101万8616件の症例を対象とした。血液がんと診断された症例は、809施設で5万1936件に上り、診断を受けた年齢の平均は68歳だった。

WHO血液腫瘍分類に基づいて集計したところ、最も割合が高くなったのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫などが含まれる成熟B細胞腫瘍で43.6%。次いで、血液細胞のもとになる増血管細胞に異常が起こる骨髄異形成・骨髄増殖性腫瘍・骨髄異形成症候群が12.6%。急性骨髄性白血病及び関連前駆細胞腫瘍が8.8%となった。

◎20歳未満では急性リンパ性白血病などの割合高く


年齢階級別の違いも明らかになった。20歳未満では急性リンパ性白血病などを含む前駆型リンパ球系腫瘍の登録割合が最も高かった。10代では30.9%(158/511件)、0~9歳では54.7%(381/696件)に上った。一方、70歳以上では骨髄異形成・骨髄増殖性腫瘍・骨髄異形成症候群が多く、70代では14.3%(2280/1万5898件)、80代では19.1%(2103/1万1008件)だった。

◎3年相対生存率は72.1% 膵臓では16.9% 胆のうでは33.4%に

同日は、診断後の経過を示す3年生存率、5年生存率も公表された。3年生存率では、2012年にがんと診断された例を対象に、全国のがん診療連携拠点病院等286施設から集計した33万9376件を分析。胃、大腸、乳房、肝臓、肺、食道、すい臓、前立腺、子宮頚部、子宮体部、膀胱の11部位に、今回新たに喉頭、胆嚢、腎、腎盂尿管の4部位を加えて集計し、部位や病期別の生存率を分析した。

ほかの病気等による死の影響を取り除いた3年生存率の相対生存率は全体で72.1%となった。2011年に診断された症例を対象に行った前年の調査では71.3%だった。

部位別にみて3年生存率が最も低かったのは膵臓で16.9%。次いで胆嚢の33.4%、肺・気管の50.8%だった。一方で最も予後が良好で、3年生存率が高かったのは前立腺の99.2%、次いで女性乳房の95.2%、子宮内膜の85.9%だった。そのほか、胃75.6%、大腸78.7%、肝臓54.6%、食道53.6%、子宮頚部79.6%、膀胱73.4%、喉頭84.4%、腎85.6%、腎盂尿管55.6%—だった。

国がんでは、3年生存率について、「難治がんの研究をどうしたらいいのか考える資料になる。今後は、ゲノム医療など医療の進歩により生存率が良くなっていく経過を追跡する体制をつくっていきたい」とコメントしている。




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