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19年7~9月の国内医療用薬市場 前年同期比8.9%伸長 消費増税前の仮需か

公開日時 2019/11/08 03:53
IQVIAは11月7日、2019年第3四半期(7~9月)の国内医療用医薬品市場は薬価ベースで2兆6709億円となり、前年同期比で8.9%伸長したと発表した。19年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定では、多くの新薬創出等加算品以外の品目で薬価の引下げが行われた一方で、多くの同加算品は薬価が引き上げられた。売上上位10製品の四半期ごとの売上推移をみると、薬価引下げとなった品目は7~9月に売上を減らして買い控えが起こったとみられる一方で、薬価引上げとなった品目は7~9月に揃って売上を伸ばした。駆け込み需要(仮需)もあったとみられる。

文末の「関連ファイル」に19年7~9月の市場規模や売上上位10製品の売上データなどに加え、売上上位製品の四半期ごとの売上推移と19年10月の薬価改定率をまとめた資料を掲載しました(ミクスOnlineの有料会員のみ閲覧できます)。

19年の国内医療用医薬品市場は、第1四半期(1~3月)は市場が0.3%縮小し、第2四半期(4~6月)は2.3%伸長した。ここからも7~9月の市場成長率の大きさがわかる。

市場別に7~9月の市場規模をみると、100床以上の病院市場は1兆2213億円(前年同期比10.5%増)、99床以下の開業医市場は5341億円(9.9%増)、主に調剤薬局で構成される「薬局その他市場」は9154億円(6.3%増)――だった。病院市場の2ケタ成長は、C型肝炎薬ハーボニーやソバルディの登場で市場が急拡大した16年第1四半期以来。3市場とも成長率が5%を超えたのは15年第2四半期以来となる。

■売上1位はキイトルーダ 上位3製品は全て抗腫瘍薬

7~9月の売上上位10製品をみると、1位はがん免疫療法薬キイトルーダ(売上372億円、前年同期比84.0%増)、2位は抗がん剤アバスチン(320億円、9.0%増)、3位はがん免疫療法薬オプジーボ(269億円、5.7%増)――で、トップ3製品を抗腫瘍薬が占めた。

いずれも19年10月の消費税率引上げに伴う薬価改定で、汎用規格の薬価は1.85%引き上げられた。四半期ごとの売上推移をみると、キイトルーダは1~3月が249億円、4~6月が315億円、7~9月が372億円、アバスチンは同274億円、301億円、320億円、オプジーボは同233億円、246億円、269億円――でいずれも右肩上がりに推移した。

トップ3製品以外で10月に薬価が引き上げられた品目には、売上5位の抗凝固薬リクシアナ(1.85%引き上げ)、7位の抗がん剤タグリッソ(1.85%引き上げ)、9位の水利尿薬サムスカ(1.66%引き上げ)、10位の降圧剤アジルバ(1.59%引き上げ)がある。四半期ごとの売上が確認できるリクシアナは、1~3月が190億円、4~6月が224億円、7~9月が249億円――と推移した。タグリッソとサムスカはいずれも、4~6月に比べて7~9月は売上を伸ばした。タグリッソの売上は4~6月が207億円、7~9月が224億円だった。

一方で、4位の疼痛薬リリカは薬価が1.35%引き下げられたためか、売上は1~3月が234億円、4~6月が262億円と推移したが、7~9月は252億円と売上げを減らした。6位の抗潰瘍薬ネキシウムは薬価が4.6%引き下げられ、売上は同217億円、241億円、228億円と推移した。8位の抗潰瘍薬タケキャブは薬価が2.2%下がったが、4~6月と7~9月で売上はほぼ横ばいだった。

売上上位製品は、各社の最主力品として営業リソースを集中している製品ばかりだが、四半期ごとの売上推移をみると、10月に薬価が引下げられた製品では買い控えが起こったとみられ、薬価が引上げられた製品では仮需も発生したと考えられる。実際、オプジーボを手掛ける小野薬品の相良暁社長は19年度中間決算の説明会で、オプジーボで推定20億円ほどの仮需が発生した可能性に言及していた。

■抗腫瘍薬市場 1~9月で1兆円突破

7~9月の上位10薬効をみると、1位の抗腫瘍薬市場は3761億円(26.7%増)と大きく成長した。キイトルーダとタグリッソの急成長が主因。キイトルーダは非小細胞肺がんに対し、PD-L1陽性なら単剤で、陰性でも標準化学療法との併用で、いずれも1次治療から使えることが成長理由のひとつとなる。タグリッソは18年8月から非小細胞肺がんの1次治療にも使えるようになり、拡大が続いている。なお、抗腫瘍薬市場は19年1~9月の合計で市場規模が1兆円を超えた。

1位~5位まで薬効別の市場規模で順位に変動はなく、2位は糖尿病治療薬市場(1437億円、7.6%増)、3位は抗血症薬市場(1118億円、7.1%増)、4位は免疫抑制剤市場(1001億円、6.1%増)、5位は制酸剤、鼓腸及び潰瘍治療薬市場(876億円、4.4%増)――だった。

薬効内トップ製品は、抗腫瘍薬市場と抗血栓症薬市場で交代した。抗腫瘍薬市場はこれまでのアバスチンから前年3位のキイトルーダに、抗血栓症薬市場はこれまでのイグザレルトから前年2位のリクシアナに入れ替わった。

6位は前年7位の眼科用剤市場(864億円、7.8%増)、7位は前年6位のレニン‐アンジオテンシン系作用薬市場(797億円、1.3%減)、8位は前年同様、その他の中枢神経系用薬市場(770億円、1.8%増)、9位は前年同様、脂質調整剤及び動脈硬化用剤市場(769億円、2.5%増)、10位は10位圏外からランクインした喘息及びCOPD治療薬市場(713億円、9.8%増)――だった。
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