武田薬品は２月17日、新型コロナウイルス感染症の現状を踏まえ、国内の従業員に対し、「可能な限り在宅勤務」を行うことを推奨するガイダンスを発出したと発表した。出勤が必要な場合は通勤ラッシュのピークの時間帯を避けることも推奨した。ＭＲも基本的にこの方針に沿うが、陽性者が出ていない地域もあることから、各エリアでの判断を重視する。

同社広報部は本誌取材に、新型コロナウイルスの陽性者が出ているエリアでのＭＲ活動や勉強会・講演会について、「不要不急の外出を控える」ということが基本的な考え方だとした上で、「現時点では各エリアの判断としている。多くの人が集まることが（感染拡大に）影響するのであれば、『気をつけて対応しよう』ということ」と説明した。エリアの判断は支店長をトップに行うが、自身や家族の安全確保を最優先としてＭＲ個人の判断も尊重する。

■ＭＲにマスクの着用指示

同社は２月に入ってから、ＭＲが医療機関を訪問する際は常にマスクをつけるよう指示している。新型肺炎だけでなく、流行期にあるインフルエンザもあることから、「患者さんや医療関係者に迷惑をかけないようにするための措置」（広報部）だとしている。

同社ではこれまでに、▽グローバルでの危機管理委員会を立ち上げ、社内外の専門家の支援のもと、タケダが取るべき対応を検討▽海外渡航は、あらゆる国への不要不急の渡航（特に大陸間の渡航や国際的なハブ空港を経由する渡航）を、少なくとも１か月間（３月８日まで）控えることを強く推奨▽中国の赤十字社に200万人民元（3100万円）相当の寄付を行い、武漢やその他の中国の感染地域に直接発送▽新型コロナウイルスに関する特設ページをイントラネットに設け、必要かつ最新の情報を従業員に提供――といった取り組みを行っている。

【おことわり】下線部を加筆修正しました。（２月18日9時45分）