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19年の国内医療用薬市場2.8%増 キイトルーダ急伸 増税改定、薬価上げ製品に仮需 IQVIA

公開日時 2020/02/19 04:52
IQVIAは2月18日、2019年(19年1~12月)の国内医療用医薬品市場が薬価ベースで10兆6256億円、前年比2.8%増だったと発表した。16年以来、3年ぶりのプラス成長となる。

19年10月の消費増税に伴う薬価改定では、新薬創出等加算品などで最大1.85%の薬価引き上げが行われた。一方で、多くの品目は実勢価改定の影響が大きく、薬価が下がった。同社データをみると、市場は1~3月は0.3%減、4~6月は2.3%増、7~9月は8.9%増、10~12月は0.6%増――と推移した。売上上位製品の売上推移も加味してみると、増税前に同加算品を中心に駆け込み需要(仮需)が発生したが、仮需後の数量減による減収影響は一部製品で薬価引上げもあってか限定的だった。これが市場全体のプラス成長につながったとみられる。

文末の「関連ファイル」に19年の市場規模や売上上位10製品の売上データに加え、売上上位製品の四半期ごとの売上推移をまとめた資料を掲載しました(ミクスOnlineの有料会員のみ閲覧できます)。

国内の医療用薬市場は16年の0.3%増以降、17年の1.0%減、18年の1.7%減と2年連続で市場縮小したが、19年はプラス成長に転じた。市場規模が10兆円を超えたのは5年連続となる。ただ、医療費が伸び続ける一方で、医療用薬市場は5年連続の10兆円台で、薬剤費のコントロールが効いているといえそうだ。

■キイトルーダの四半期売上 増税前84%増収、増税後50%増収

消費増税に伴う薬価の改定率は業界平均で▲2.40%(薬剤費ベース)だった。実勢価改定を行ったためだが、消費税率引き上げ分を薬価に上乗せしたため、新薬創出等加算品や基礎的医薬品などでは結果的に薬価が最大1.85%引き上がった。

IQVIAのデータによると、例えば19年の製品売上1位で、増税改定で1.85%の薬価引上げとなったがん免疫療法薬キイトルーダの四半期ごとの売上推移は、19年1~3月が249億円(前年同期比60.0%増)、4~6月が315億円(64.1%増)、7~9月が372億円(84.0%増)、10~12月が346億円(50.0%増)――だった。増税前に仮需があったとみられる一方で、増税後の10~12月売上は4~6月よりも大きく、減収影響は限定的といえそうだ。

ほかに薬価が1.85%上がった売上上位製品の売上推移をみると、抗がん剤アバスチンは同274億円(2.8%増)、301億円(0.6%減)、320億円(9.0%増)、283億円(8.9%減)――、免疫療法薬オプジーボは同233億円(17.0%減)、246億円(0.2%増)、269億円(5.7%増)、233億円(16.7%減)――、抗凝固薬リクシアナは同190億円(58.0%増)、224億円(30.4%増)、249億円(42.0%増)、248億円(20.9%増)――。これら製品で増税前の仮需が見受けられ、リクシアナは増税後も堅調な売上をみせた。

抗がん剤タグリッソも10月の増税改定で薬価が1.85%引き上げられたが、11月1日付けで市場拡大算定が適用されて改定後薬価をベースに15.0%の薬価引き下げを受けた。同剤は1~3月の売上は非開示だが、4~6月が207億円(138.6%増)、7~9月が224億円(151.6%増)、10~12月が224億円(44.0%増)――と推移した。

増税改定で薬価の引き下げを受けた売上上位製品をみると、1.35%の薬価引き下げを受けた疼痛薬リリカは4~6月が262億円、7~9月が252億円、10~12月が266億円――、4.6%の薬価引き下げを受けた抗潰瘍薬ネキシウムは同241億円、228億円、247億円――と推移した。増税前の買い控えと、増税後の数量増が垣間見える。

■売上1000億円超に3製品

19年の製品売上上位10製品をみてみる。1位はキイトルーダで売上1284億円(前年比64.3%増)、2位はアバスチンで1180億円(0.4%増)、3位はリリカで1014億円(2.9%増)だった。これら上位3製品が売上1000億円以上の製品となる。

キイトルーダは前年6位から一気にトップに立った。非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、PD-L1陽性なら単剤で、陰性でも標準化学療法との併用でいずれも1次治療から使えるようになった。これが急成長の主因となる。

売上4位はオプジーボ(売上982億円、前年比7.5%減)、5位はネキシウム(934億円、2.0%増)、6位はリクシアナ(913億円、35.5%増)、7位は抗潰瘍薬タケキャブ(845億円、24.0%増)、8位はタグリッソ(819億円、105.1%増)、9位は水利尿薬サムスカ(777億円、25.8%増)、10位は抗凝固薬イグザレルト(762億円、4.3%増)――だった。急成長をみせたタグリッソは、18年8月からNSCLCの1次治療にも使えるようになったことが成長要因とみられる。

■前年1位のC肝薬マヴィレットは圏外に

リクシアナ、タグリッソ、サムスカが今回トップ10入り。一方で、前年の売上トップ製品のC型肝炎治療薬マヴィレット、自己免疫疾患用薬レミケード、降圧剤アジルバが10位圏外となった。マヴィレットは患者の治癒によるものとみられる。

■抗腫瘍薬市場は1兆4000億円に

上位10薬効をみると、1位の抗腫瘍薬、2位の糖尿病治療薬、3位の抗血栓症薬、4位の免疫抑制剤、5位の眼科用薬、10位の喘息及びCOPD治療薬――の6市場は成長した。6位の制酸剤、鼓腸及び潰瘍治療薬市場は0.4%増とほぼ横ばい。7位のARBなどレニン-アンジオテンシン(RA)系作用薬、8位の脂質調整及び動脈硬化用剤、9位のその他の中枢神経系用剤――の3市場は縮小した。

特に1位の抗腫瘍薬の市場規模は1兆4042億円、17.0%増となった。上位10薬効で2ケタ成長は同市場だけ。キイトルーダやタグリッソに加え、乳がん治療薬パージェタが87.6%増となったことが、抗腫瘍薬市場の2ケタ成長につながった。なお、IQVIAは売上上位10製品以外の製品売上は開示していない。

薬効別ランキングの4位までは前年と順位は変わらない。5位の眼科用剤市場は前年8位で、加齢黄斑変性治療薬のアイリーア(9.7%増)やルセンティス(13.8%増)などが好調だった。

7位のRA系作用薬は3184億円、9.3%減となり、14年からのマイナス成長が続いている。前年から2つ順位を下げた。

■病院、開業医、薬局の全市場ともプラス成長、15年以来

19年の国内市場を市場規模別にみると、100床以上の病院市場は4兆7471億円(前年比4.6%増)、99床以下の開業医市場は2兆1378億円(1.1%増)、主に調剤薬局で構成される「薬局その他市場」は3兆7405億円(1.6%増)――だった。

病院市場は2年連続のプラス成長、開業医市場は3年連続のマイナス成長からプラスに転じた。薬局市場は15年以来、4年ぶりのプラス成長で、3市場とも前年を上回るのは15年以来となる。

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