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【速報】米FDA 抗ウイルス薬・レムデシビルの新型コロナウイルス感染症への緊急使用を許可

公開日時 2020/05/02 08:30
米食品医薬品局(FDA)は5月1日(現地時間)、抗ウイルス薬・レムデシビル(ギリアド・サイエンシズ)について、重症の新型コロナウイルス感染症入院患者への緊急使用を認めた。米国立衛生研究所(NIH)が1063例を登録して実施する、同剤の予備的解析で有用性を報告してから2日あまり。まさに“電光石火”の使用許可となった。これにより、重度の新型コロナウイルス感染症に対して、全米の医療機関で投与が可能になる。米HHSのAlex Azar長官は、「トランプ大統領によるアメリカ方式の政府と民間産業間のシームレスな協力により、記録的な速さで患者に治療選択肢が提供される」とコメントした。

◎緊急使用許可は正式承認とは異なる

FDAは、同剤について「安全性と有効性は限られている」と指摘。そのうえで、米NIHとギリアド・サイエンシズの2本のフェーズ3に基づき、レムデシビルが新型コロナウイルス感染症の治療に対して、潜在的なベネフィットがリスクを上回ると判断。緊急使用することを「合理的」とした。なお、緊急使用許可は、正式承認とは異なり、エビデンスが確立されるまでの間の一時的なものとなる。今後も、臨床試験でさらなる研究を進め、有効性と安全性を検討することになる。

◎米政府 新型コロナの影響大きい都市への配布を検討

米政府は、新型コロナウイルス感染症への影響が大きい都市の同剤への配布を検討しており、供給量が限られるなかで、集中治療室(ICU)を有するなど必要性の高い医療機関を優先する考え。医薬品の供給についてはギリアド社と米政府で調整するとしている。

投与対象は、重篤な新型コロナウイルスで入院する患者で、酸素飽和度(SpO2)≦94%、もしくは酸素吸入、人工呼吸器やECMOによる機械的換気が必要な患者。投与期間については現在、臨床試験が進行中だが、ECMOや人工呼吸器が必要な患者は10日間、そうでない患者には5日間を提案。5日間投与で効果が出ない場合には最大投与を5日間延長することを推奨している。

同剤は、肝機能値の上昇や低血圧、悪心・嘔吐、発汗、震えなどの副作用が報告されている。特に、肝機能値の上昇は肝細胞損傷の兆候であることなどから、注意を呼びかけた。FDAは、ギリアド・サイエンシズに対して、投薬や潜在的な副作用や薬物相互作用などの情報を提供するファクトシートを作成することを求めている。

◎ギリアド・Daniel O’DayCEO「臨床試験を進め、プロファイルの理解を補足する」

ギリアド・サイエンシズのDaniel O’DayCEOは、「私たちは、世界中のパートナーと協力してレムデシビルの供給を増やしながら、進行中の臨床試験を進め、薬物のプロファイルの理解を補足する。世界中の患者、その家族、医療従事者のニーズに最も緊急かつ責任感をもって対応できるよう取り組む」とコメントしている。

◎欧州医薬品庁(EMA)も逐次審査を開始

同剤をめぐっては、NIHは4月29日(米国時間)、抗ウイルス薬・レムデシビルの投与により、新型コロナウイルスによる肺炎で入院した患者の回復までの期間がプラセボに比べ31%有意に速かったとの予備的解析の結果を発表。ギリアド・サイエンシズ社も5日という短期投与の有用性を発表していた(関連記事)。

なお、同剤は、欧州医薬品庁(EMA)も4月30日(現地時間)、逐次審査を開始したことを発表している。

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