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武田薬品・岩﨑プレジデント GMBUのMR170人をオンコロジー事業部に異動 スリムで機動的な組織づくり

公開日時 2020/05/14 04:53
武田薬品の岩﨑真人・取締役ジャパンファーマ ビジネスユニットプレジデントは5月13日、Web会議システムで本誌取材に応じ、新型コロナ後を見据えた製薬ビジネスの方向性について語った。岩﨑プレジデントは、「コロナが起こる前のノーマルな状況にはもう戻らない」と強調。新型コロナの感染拡大を通じ、地域医療が抱える課題を全国の知事、医療関係者、患者が理解したことで「はからずも地域包括ケアシステムが進むのでは」と述べ、これに対応するMRの情報提供活動もデジタルの活用が不可欠になると見通した。また社内体制については、ジェネラルメディスンビジネスユニット(GMBU)のMR170人を3か月間の研修を経て4月にオンコロジー事業部に異動させたことを明らかにした。オンコロジー領域の新薬3製品の上市を見込んだもの。岩﨑プレジデントは「世の中がどんどん変わっていく。我々もそれに応じスリムで機動的(アジャイル)な組織を作らないといけない」と述べた。

◎ポストコロナ「ノーマルな状態には戻らない」

武田薬品はシャイアーとの統合を完了し、いよいよ5つのビジネスエリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス)ごとの価値最大化を加速させる。岩﨑プレジデントは、「5年、10年、組織を変えないというやり方はしない。いまは3年で組織を変えている」と述べ、ビジネス環境に即応できる組織作りに注力する考えを強調した。ビジネス面では新型コロナウイルス感染症が多分に影響すると指摘。ポストコロナでは、「ノーマルな状態には戻らない。ニューノーマルは前のような活動を求めることはしない」と見通し、MRを含む情報提供活動そのものへの変化が避けられないと断言した。

◎各営業所の「デジタルリード」を配置 デジタルリテラシー向上に一役

「MRは、何がデジタルで出来て、何がデジタルで出来ないかを自分たちで評価する」。同時に「(顧客の)医療機関や医療従事者、ステークホルダーも、わざわざ(病院まで)足を運んでもらわなくても情報収集が出来る、ということを見極めてくる」-。岩﨑プレジデントは強調する。ポストコロナはこれだけのインパクトを放つ可能性を秘めていると見る。

実は武田薬品は、新型コロナ問題が起こる半年前から社員のデジタルリテラシーを向上させるためのトレーニングを開始していた。各営業所に「デジタルリード」と呼ばれる営業職の専任者を1人もしくは2人配置。デジタルを活用した情報提供の牽引役としての活動を開始した。そのキックオフと新型コロナの感染拡大がちょうど重なるタイミングになったことは幸いした。岩﨑プレジデントは、こうした事前の準備が「結果的に活かされた」と評価した。続けて「この変化に伴いデジタル活用は進む。我々はこの間の在宅勤務を通じ、新型コロナの第2波やその他の感染症が次に来ることを学んだ。その意味で、いろいろなことが進んでくると思う」と述べ、デジタル感度の高いMRが活躍する時代が来るとも見通した。

◎レアディジーズ「デジタルなしでは無理だと思う」

「出てくる新薬は環境変化に影響されにくいものになっていく」-。シャイアー買収の成果を岩﨑プレジデントはこう指摘した。「いずれパイプラインの切り替えがどんどん加速していく」とも強調する。レアディジーズや血漿分画製剤の領域は、「まだまだ疾患が診つくされていない」という。シャイアーを買収して学んだことについて岩﨑プレジデントは、「診断されるまでの期間が米国より30%以上遅い。ある疾患では13年もかかってやっと患者が診断されている。患者にとっても不幸だ。これをどうやって半分にするかがテーマだと思っている」と熱く語った。そのうえで医療者へのアプローチに触れ、「医師一人ひとりに情報活動するだけではどうにもならない」と述べ、「デジタルなしでは無理だと思う」との考えを披露した。ただ、Face to Faceを否定するのではなく、あくまでデジタルリテラシーに基づくツールの活用を主張している。岩﨑プレジデントは、詳細は控えるとしながらも、デジタルの強みは「空間と時間を超えることにある」とだけ明かしてくれた。

◎バリューベースドやリインバースメントも十分ある

岩﨑プレジデントに製薬産業におけるイノベーションの評価についてもたずねた。同氏は一つの考え方として、「バリューベースドやリインバースメント(reimbursement=払い戻し)も十分ある」と応えた。1回の治療代が高額になる革新的新薬が多い。例えば、投与初期はクスリ代を請求しないが当該薬剤が効いている期間だけ、分割してクスリ代を請求するというもの。「我々のデータだと数年間は効きそうです。ならば効いている期間を請求頂く。これからは考えていくべきではないかと思う」と私見を交えて語ってくれた。

まさにバリューベースドの考え方に基づくものだ。岩﨑プレジデントは、国がイノベーションを評価する仕組みを持つことが前提とくぎを刺す。その一方で、「日本は製薬のリテラシーや技術は高い。この国から技術を生んでいくのは我々の責任だと思う」とも述べた。
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