米FDA 重症マラリア治療薬アルテスネイト承認
公開日時 2020/06/03 04:49
食品医薬品局(FDA)は5月26日、米Amivas LLC社(本社:メリーランド州フレデリック)の重症マラリア治療薬Artesnate 静脈注射薬(アルテスネイト)を承認した。適応は、成人および小児における重症マラリア。米国では、キニン以来初の重症マラリア治療薬となった。
同剤は、希少疾病薬と顧みられない熱帯病治療薬の開発に特化したベンチャー企業であるAmivas社と米国陸軍医学研究開発司令部(USAMRDC)が共同開発契約を結び、開発を進めてきた。なお、FDAは、同剤を優先審査および希少疾病薬に指定していた。
Amivas社のBryan Smith最高医学責任者(CMO)は、「我々が希少疾病の熱帯病に対する治療薬をもたらせる専門知識を持っていることが示された。重症マラリア患者の救命に貢献できると期待している」と話している。
米国では、キニンの製造業者が同剤の製造を中止して以降、マラリア治療薬がなく、患者には、FDAの薬剤拡大アクセスプログラムを通して、疾病管理予防センター(CDC)がアルテスネイトを供給していた。CDCによると、毎年、約2000人がマラリアと診断され、そのうち、300人が重症マラリアという。