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国内市場予測 24年まで5年間の年平均成長率マイナス3%~0%に 主要国唯一のマイナス成長に

公開日時 2020/07/07 04:52
IQVIAの情報研究機関であるIQVIA INSTITUTEは7月6日までに、国内医療用医薬品市場について、2020年から24年までの5か年の年平均成長率がマイナス3%~0%になるとの市場予測をまとめた。米国、日本、ドイツなど10の医薬品先進国の中だけでなく、中国、ブラジル、インド、ロシアなど主要な医薬品新興国を含めても、日本は唯一のマイナス成長国になる可能性があるとしている。なお、この市場予測には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響は含まれていない。

文末の「関連ファイル」に主要国別の24年の市場規模と5年間の年平均成長率の一覧表をまとめました(ミクスOnlineの会員のみダウンロードできます)。

今回の市場予測の調査レポートの名称は、「Global Medicine Spending and Usage Trends Outlook to 2024」。全世界及び国別の市場規模(=医薬品支出)は各年の為替変動を含み、成長率は19年第2四半期の為替で固定して算出している。分析は、医療提供、コスト抑制、薬価設定と償還、薬事規制といった行政政策と経済成長などに基づくもの。

世界の医療用医薬品市場は、19年の1兆2504億ドルが24年に1兆5700億ドル~1兆6000億ドルにまで拡大すると分析した。20年~24年の5年間の年平均成長率は3~6%成長となる。この中で日本市場は19年の870億ドルが24年に880億ドル~980億ドルになり、5年間の年平均成長率は最悪の場合でマイナス3%になると予測した。市場規模は大きくなる一方で、成長率はマイナスとなる可能性があるのは、前述の通り、売上は為替影響を含み、成長率は固定為替レートを用いているためとなる。

■疾患領域によっては市場拡大も

今回のレポートで日本市場がマイナス成長になる理由にまで触れていないが、後発品の使用促進策、薬価の毎年改定、市場拡大再算定など薬価制度による医薬品支出の伸びの抑制策が影響するとみられる。

ただ、日本市場全体ではマイナス成長の可能性があるものの、前年に公開された19年~23年まで5か年の調査レポートでは、「(日本市場は)後発品による大幅な節減で、予算全体に影響を及ぼすことなく、スペシャリティ医薬品へのシフトを可能にし、スペシャリティ医薬品の医薬品支出に占める割合は18年の約30%から23年には41%に増加すると予測する」と指摘している。つまり、疾患領域によっては市場拡大すると分析しており、今回の24年を最終年度とする市場予測でも同様の見方ができそうだ。

日本市場は24年も、米国市場(24年の市場規模:6050億ドル~6350億ドル、年平均成長率:3~6%成長)、中国市場(同1650億ドル~1950億ドル、5~8%成長)に次ぐ世界3位の市場規模であることに変わりはない。しかし、上位2か国との差は大きく、19年時点の市場規模(米国5103億ドル、中国1416億ドル、日本870億ドル)からも今回、その差は開いた。

■日本に次ぐ低成長はフランス

主要国別に5年間の年平均成長率をみると、先進国で日本に次いで低成長になる見込みなのはフランスだが、それでも0~3%成長すると分析。医薬品新興国(=1人あたり所得が年間3万ドル未満、医薬品支出の絶対成長が5年間で10億ドル超の国)に位置付けられる中国のほか、インドやロシアはそれぞれ8~11%成長するとしている。日本は唯一のマイナス成長になる可能性がある国となる。
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