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日医・松本常任理事 「医療提供体制を守る」観点から抜本的な支援を 新型コロナの影響は中医協で議論へ

公開日時 2020/07/27 04:52
日本医師会の松本吉郎常任理事(中医協診療側委員)は7月22日の会見で、新型コロナウイルス感染症の影響で病院、診療所ともに経営に大きな打撃を受けていることを踏まえ、「中医協では主に、どのような手当てが必要かということを中心にこれまでも議論してきたが、それだけでは医療提供体制は守れない」と述べた。患者の受診控えに加え、長期処方の増加や電話等再診の増加など、患者の受診行動が変化するなかで、新型コロナウイルス感染症の如何によらず、病院、診療所ともに経営に影響が出ている。こうしたなかで、持続可給付金や補助金などでの対応では限界があるとして、診療報酬を含め、”地域医療を守る”観点から、医療機関への抜本的な支援を求めた。

この日の中医協で松本常任理事は、総会終了直前に「新型コロナウイルス感染症はほとんどの医療現場に様々な影響を色濃く与えている」と指摘。新型コロナウイルス感染症を受け入れた医療機関については、特例的な対応として、救急医学管理加算や救命救急入院料などの診療報酬点数を通常の3倍相当の点数に見直すなどの対応もなされてきた。こうした状況を踏まえ、「その対応の影響も含め、幅広く議論できるよう、事務局で資料を用意していただくことを要望する」と述べた。これに対し、厚労省保険局医療課の森光敬子課長は、「今後の議論の参考になるように準備したい」と応じた。ただ、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が「医療機関の経営状況を中医協で話すことに違和感がある。診療報酬を絡めてということであれば明確に反対する」とすぐさま牽制し、早くも火花が散った。

◎5月レセプト調査 総点数は病院で1割減、診療所で2割減 持続化給付金のハードル高く

松本常任理事はこの日の会見で20年5月のレセプトデータを示した。回答医療機関は693施設。診療報酬総点数(入院外保険収入)は、対前年同月比で病院では1割以上、診療所では2割以上の減収となり、以前として新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く残る。無床診療所の約2割で総点数(入院外保険収入)が30%以上減少したほか、一般病院、有床診療所、無床診療所の約9割、精神科病院の約8割で総点数が減少した。ただ、こうした医療機関への支援が目的とされる、持続化給付金の要件は50%以上の収入減でハードルが高いと指摘した。

また、医業利益は1か月あたりで、有床診療所で3600万円、無床診療所全体で1200万円、小児科で300万円、耳鼻咽喉科で280万円の減収だった。ただ、感染防止の取り組みを行う医療機関への補助金は有床診療所で200万円、無床診療所で100万円が上限となっている。松本常任理事は、医療機関への補填が十分ではないとの見方を示し、「地域で求められる医療を提供するための体制を確保できるのか不安な状況になっている」との見解を示した。

こうした医療現場の“窮状”を踏まえ、中医協で厚労省に資料の提出を要望したと松本常任理事は説明した。「中医協では主に、どのような手当てが必要かということを中心にしてこれまでも議論してきたが、それだけでは医療提供体制は守れない。すでに崩壊する一歩手前にある。これまで通りの議論をしていたのでは、地域医療提供体制を救うことができない」と強調。日本医師会だけでなく、国立病院機構、地域医療機能推進機構(JCHO)などから様々なデータが提出されることを見据え、「果たしてこのままでいいのか。地域医療提供体制をしっかりと支えるために中医協で何ができるのか、どういった手当てができるのかを広く議論していただきたい」と述べた。

患者の受診控えなどの影響で、新型コロナの患者を受け入れていない医療機関でも経営も打撃を受けている。松本常任理事は、「そういったことも考慮しながらどういった手当てができるのかを考える必要がある。地域医療提供体制、病院や診療所が潰れてしまっては何もできなくなってしまう。そういった視点をぜひ中医協の委員の先生方にはもっていただきたい」と述べた。
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