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【特別版】加藤厚労相 AZと新型コロナワクチン「AZD1222」1億2000万回分の日本供給で基本合意

公開日時 2020/08/07 20:00
加藤勝信厚労相は8月7日、アストラゼネカ(AZ)と新型コロナウイルス感染症のワクチン「AZD1222」について、国内で1億2000万回分の供給を受けることについて基本合意したと発表した。供給は来年初頭からを見据え、3000万回分は第1四半期中(1~3月)に供給を受ける。アストラゼネカは同日、国内での第1/2相臨床試験を8月中にも開始することを発表した。

厚労省は7月31日にファイザーとも同規模の契約を結んでおり、両社が開発に成功すれば、2億4000回分(1億2000万人分)を確保することになる。加藤厚労相は、「今後、アストラゼネカと最終合意にむけて速やかに協議を進めていくほか、他のワクチンメーカーとも協議を進めていく」との考えを表明。「国民の皆さんに安全で有効なワクチンが早期に供給できるようにさらに取り組んでいきたい」と意欲を見せた。AZは国内で治験を進めるが、加藤厚労相は、「薬事承認の審査は色々なやり方があるが、我々としては、当然国内で使う場合には、薬事承認を受けた上でワクチン接種することになる」と述べた。

◎国内で健常人250人を対象に第1/2相臨床試験実施へ

AZが開発を進めるAZD1222は、複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、SARS-CoV-2 ウイルススパイクタンパク質の遺伝物質を含んだもの。ワクチン接種後、表面スパイクタンパク質が産生され、免疫系を刺激して、後で体が感染した場合に SARS-CoV-2 ウイルスを攻撃する。オックスフォード大学とそのスピンアウト企業 Vaccitech によって共同で創製された。すでに、イギリスで5月30日に第2/3相臨床試験が開始されているほか、ブラジルでは第3相臨床試験が実施されており、アメリカや南アフリカでも人への投与が開始されているなど、世界的に開発が進められている。国内で開始する第1/2相臨床試験は18歳以上の健常人250人を対象にしている。同社は、グローバルでの臨床試験もあわせた形での申請を視野に入れており「薬事承認などを含めた接種環境が整い次第、接種が開始できる」体制整備を進めているしている。

◎ワクチン原液調達 JCRファーマへの製造委託と海外からの輸入

国内での安定供給に向けては、ワクチン原液の調達については、JCRファーマへの製造委託と海外からの輸入を並行して進める。ワクチン原液を用い、第一三共、第一三共バイオテック、Meiji Seika ファルマ、KMバイオロジクスにより、バイアル充填から保管・配送といった接種に必要な準備が行われる予定。

◎AZ日本法人・ヴォックスストラム社長「日本社会の平常化に貢献したい」

AZ日本法人のステファン・ヴォックスストラム代表取締役社長は、「日本のパートナーと協力して国民の皆さんの健康を守り、日本の社会がいち早く平常に戻るために、ワクチンの提供を通じてぜひ貢献していきたい」とコメントしている。

◎ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募) AZを含む6社採択

厚労省は同日、ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)の採択結果を公表した。採択されたのは、アストラゼネカ、アンジェス、KM バイオロジクス、塩野義製薬、武田薬品、第一三共の6社。同事業は、新型コロナウイルスワクチンの国内における早期供給を促す目的で進められている。



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