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湘南アイパーク 研究イノベーション事業の公募で5チームを採択 日本のアントレプレナー誕生へ

公開日時 2020/08/28 04:50
湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、湘南アイパーク)は8月27日、アカデミアやベンチャーを支援する研究イノベーション事業の公募で5チームの最終採択者を発表した。最終選考に向けて、製薬企業側からサイエンスメンターが付くのが特徴。製薬企業の有する、実用化に向けたスキームの作成や、資金調達に向けてのノウハウを提供することで、アカデミアやベンチャーの革新的技術の実用化への道のりが加速することが期待される。湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャーは、「高い質でこれだけの数が集まったのは他の国でもなかなかないのではないか。ひとつひとつ積み重ねていけば、日本からアントレプレナー(起業家)が生まれないということはないということを実感した」と手ごたえを語った。同事業は2019年10月に発足しており、採択は初めて。

日本の科学技術は高い水準であると言われる一方で、出口戦略の立案や資金調達、知的財産など、実用化に向けた壁があった。研究者に、いわゆるアントレプレナーシップ(起業家精神)がないことなども指摘されていた。同事業は、こうした国内の課題を解決し、湘南アイパークを国内初のサイエンスパークとして成長させていくことで、イノベーションを活発化させる狙いがある。

◎事業化に向けてアクセレレートする!

最終採択者の一人である国立がん研究センターの先端医療開発センター分野長の小林進主任研究員は、最終選考に向け、製薬企業側から4回のメンタリングを受けたとして、「実用化に向けてブラッシュアップしたプロポーサルになったのではないか」と話す。

東京大の村田幸久准教授は、「ここ数年間事業化に向けて動いてきたが、どうしても技術ベースで資金を集めようとしてしまっていた。今回のプログラムは夢ベース。目標があって技術を近づけるというプロシージャ―を教えてもらった」と強調。資金獲得に向けては、プレゼンテーションも重要になるが、「研究イメージをブラッシュアップしてより聴衆に分かりやすく伝えること」を学んだとExTherea の今福礼代表取締役も強調した。

Nexuspiralの増田直之代表取締役は、技術が完成していたが、「具体的にどのような方法、疾患を決めるということでサジェスチョンをいただいている。技術のブラッシュアップはもちろんだが、どうすれば、高い価値を患者に提供できるのかというサジェスチョンをいただいた」と述べた。

すでに湘南アイパークに入居する、国立がん研究センターの小林氏は、湘南アイパークに入居するメリットについて、「従来は、アカデミアと製薬企業、検査会社は距離があった。同じ建物で日々、ディスカッションできる。毎日のように顔を合わせていれば、同じ事業、研究を始めましょうとなり、刺激的な環境だ。もう一つは、米国でサイエンスパークがさかんで、異業種間が刺激し合って物事が進んでいくことが多くある。日本でもなんとかできないかということをずっと考えていた。非常に良いモデルケースだ」と述べた。今回の受賞をきっかけに事業化に向けて「アクセレレート(加速)すると期待しているし、それが実現できると信じている」と述べた。

◎インキュベーション事業 最大3年、毎年総額最大1000万円の研究資金

インキュベーション事業は、「病のない世界」をテーマに、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンファーマの1社であるJanssen Research & Development, LL、武田薬品の共催で実施された。最終採択者には、J&Jファミリー企業または武田薬品から最大3年間、毎年総額最大1000万円(約9.43万米ドル)の研究資金に加え、実用化に向けたノウハウの提供を受けることができる。また、湘南アイパークの研究設備の利用のほか、コミュニティに参画し、セミナーなどのイベントやサイエンスメンターなどのサービスを活用できる。

事業は、2020年 1 月 6 日~同年 5 月 15 日を応募期間とし、肺がん、近視、健康長寿、乳幼児アレルギー、ニューロサイエンスの5領域で研究計画を募集。79件、70チームの中から12研究が書類選考を通過し、J&J、Janssen Research & Development, LL、武田薬品の専門的メンタリングのもと、研究計画を磨いてきた。


最終採択者、研究内容は以下の通り。

▽肺がん:国立がん研究センター(先端医療開発センター 分野長 小林進主任研究員)
肺腫瘍形成と早期肺がんに関連するバイオマーカーとした循環型 miRNA の特定と検証

▽近視:筑波大学 (医学医療系眼科 平岡孝浩准教授)
人工知能を用いた学童から若年層にわたる近視の進行予測アルゴリズムを開発

▽乳幼児アレルギー:東京大学(村田幸久准教授)
小児の食物アレルギーを予測可できるバイオマーカーとして、消化管の肥満細胞から分泌される PGD2 の代謝物である PDGM を尿中に発見。PGDM を簡単に測定できる家庭用バイオセンサーの開発と検証

▽ニューロサイエンス

・Nexuspiral 株式会社 (増田直之代表取締役)
一本鎖オリゴヌクレオチドを利用して、希少遺伝性疾患の原因となる遺伝子の変異を修復する新しいゲノムデザイン技術を開発

・株式会社 ExTherea (今福礼代表取締役)
神経変性疾患の進行予防を目的とした、口腔ケラチノサイト由来のエクソソームを経鼻投与する治療薬を開発

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