アイパーク デジタルマッチングプラットフォーム”iDCP”本格稼働 アジアのブラックボックス解消へ
公開日時 2026/01/16 05:30

アイパークインスティチュートは、デジタルマッチングプラットフォーム「iDCP (iPark Digital Community Platform)」を3月1日から本格稼働させる。iDCPは、アジアのスタートアップ・アカデミアの有する技術情報などを体系化。必要な情報が可視化されることで、グローバルのベンチャーキャピタル(VC)や製薬企業とのマッチングの機会を増やし、イノベーション創出を加速させることを目指す。欧米の投資家から見た際に、アジアは“ブラックボックス”とも指摘される中で、iDCPの活用により、課題解決を図りたい考えだ。アイパークインスティチュートの木谷英太取締役は本誌取材に対し、「グローバルのVC、製薬企業にとって、日本あるいはアジアのシーズへのアクセスをより容易にできるようにしたい」と意欲を語った。
iDCPは、グローバルでスタートアップ・アカデミアとVCなど投資家とのパートナーシップを促進するマッチングプラットフォーム。“アジアの技術と情報を解き放つ”をコンセプトに、アジアのスタートアップ・アカデミアの有する情報を可視化。AIがVC・製薬企業の興味領域とスタートアップ・アカデミアの技術情報を自動マッチングする。
◎VCや製薬企業のニーズ体系化で必要な情報を可視化 効率化でスタートアップを後押し

スタートアップ・アカデミアがシーズの開発を進めるために資金調達の機会を求める一方で、VCや製薬企業が実際に求める情報がわからず、研究価値を伝えられないことが機会損失につながっていることが指摘されていた。また、VCや製薬企業ごとに情報開示のためのフォーマットが異なることがスタートアップ・アカデミアにとって負担にもなっていた。
iDCPは、VCや製薬企業のニーズを事前に体系化。スタートアップ・アカデミアにとっては、フォームに従って入力することで、設立年などの組織情報や、シーズの開発ステージや疾患領域など技術情報など、必要な情報が蓄積される。情報の整備・整理が困難とのスタートアップ・アカデミアの声もあるなかで、URLや資料をアップロードするだけで、iDCPのAIが情報を自動で構造化される仕組みも取り入れた。臨床データは自動でグラフ化するなどして可視化も図る。これらのデータはAIの学習には使用せず、セキュリティにも配慮した。スタートアップやアカデミア自身が情報を入力することで、情報の鮮度や正確性を保ちつつ、入力の手間を減らし、簡略化を図った。
◎アジアのデジタルハブへ 韓国や台湾のスタートアップの情報も チャットやNDA締結機能を整備
さらに、VCや製薬企業が興味を持ったスタートアップ・アカデミアと直接連絡ができるよう、チャット機能を備える。さらに、iDCP上でNDAを締結することで、研究データなど機密情報へのアクセスも可能にする一気通貫の仕組みも整えているのも特徴だ。
日本だけでなく、韓国や台湾などアジアのスタートアップに広く入力してもらうことで、アジアのデジタルハブとなることも目指す。中国の台頭などでサイエンスをめぐる勢力図も変わるなかで、シーズや技術のリサーチのために人的リソースを日本に割くことが難しい、海外のVCや製薬企業にとっても効率化が図られることにメリットがある。
◎リアルとデジタル 両面からアプローチ
アイパークインスティチュートは、米ボストンで開催するパートナリングイベント「SHIC(Shonan Health Innovation Conference)」などリアルの場でも、スタートアップ・アカデミアとVC・製薬企業のマッチングを進めている。木谷取締役は、「iDCPをベースにしながら、オフラインのイベントも並行して開催することで、オンライン・オフライン両方で多くのマッチングを構築していきたい」と話し、デジタル・リアルの両面から課題解決に取り組む考えだ。
なお、iDCPの正式リリースに先立ち、事前登録を開始。26年9月まで無料で利用できるローンチキャンペーンを行っているという。