薬食審 10月29日に第一部会 SGLT2阻害薬フォシーガの「慢性心不全」の適応追加を審議
公開日時 2020/10/16 04:50
厚生労働省は10月15日、新薬の承認可否の審議などを行う薬食審医薬品第一部会を29日にウェブ会議で開催すると発表した。審議品目は1品目で、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬フォシーガ錠(一般名:ダパグリフロジン)に「慢性心不全」の適応を追加することを審議する。2型糖尿病の合併の有無にかかわらず心不全の適応を追加するもので、既承認適応と明らかに異なる適応を追加するため、部会で審議する。
また、この日の報告品目も1品目。経口腎性貧血治療薬のHIF-PHD阻害薬エベレンゾ錠(同ロキサデュスタット)について、これまでの透析期のほかに、保存期でも使えるようにする。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽フォシーガ錠5mg、同錠10mg(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、アストラゼネカ):「慢性心不全」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
SGLT2阻害薬。現在の効能・効果は2型糖尿病と1型糖尿病。
今回の申請は、国際共同フェーズ3試験の「DAPA-HF試験」の結果に基づくもの。2型糖尿病の合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者を対象に、フォシーガ10mg1日1回を心不全の標準治療に追加投与した。
その結果、フォシーガ投与群はプラセボ群と比較して、主要複合評価項目(入院または緊急受診と定義される心不全の悪化、または心血管疾患を原因とする死亡)の発現リスクを26%低下(p<0.0001)させ、複合評価項目の各項目でもリスクの低下を示した。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽エベレンゾ錠20mg、同錠50mg、同錠100mg(ロキサデュスタット、アステラス製薬):「腎性貧血」を対象疾患とする新効能医薬品。
HIF-PHD阻害薬と呼称するファースト・イン・クラス薬。現在の適応は「透析施行中の腎性貧血」だが、今回、「透析施行中の」との文言を削除し、保存期の腎性貧血にも使えるようにする。HIF-PHD阻害薬は同剤のほかにバフセオ錠(バダデュスタット)、ダーブロック錠(ダプロデュスタット)、エナロイ錠(エナロデュスタット)の計4剤が承認されているが、エベレンゾ以外の3剤は透析期と保存期の両方の適応をもっている。