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菅首相が毎年薬価改定の作業指示 対象品目は平均乖離率1.0倍で全品目の5割、2.0倍で2割

公開日時 2020/11/28 04:52
菅義偉首相は11月27日の経済財政諮問会議で、毎年薬価改定について改めて2021年度からの導入に意欲を示した。諮問会議の民間議員も、「初回となる2021年度の毎年薬価改定は、国民負担の軽減、イノベーション促進の観点を踏まえ、着実に実施すべき」と提言した。改定範囲についても、「平均乖離率の1.0倍以上」では▲1900~2900億円(約8100品目、全品目の約5割)、「平均乖離率の2.0倍以上」では▲500~800億円(約3100品目、全品目の約2割)の医療費削減効果がるとの試算も提示した。製薬業界は、中間年改定の導入はやむなしとの構えも、21年度改定は新型コロナの影響を踏まえて「見送り」も含めた検討をとの姿勢を崩していない。ただ、外堀は完全に埋まりつつあり、改定範囲をめぐる議論に本格的に入る。

「薬価改定による国民負担の軽減にしっかり取り組んでいきたい」-。菅首相はこの日の諮問会議で、改めて21年度改定の実現に意欲を示した。

毎年薬価改定をめぐり、製薬業界は25日に開かれた中医協の意見陳述で、中間年改定について「乖離率が著しく大きい品目」に限定するよう主張した。ただ、21年度改定については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「慎重な検討」を訴え、中間年改定の初年度となることを回避したい構えだ。ただ、政府側は、すでに公表された妥結率や単品単価の割合は例年とそん色ない結果であり、12月上旬に公表される薬価調査が出ることで、21年度改定に向けた環境は完全に整うとしている。製薬業界側が中医協の場で、中間年改定の対象の範囲に言及したことで、議論のテーブルについたとも判断している。


◎民間議員「約10兆円に達する薬剤費の引下げで国民負担の軽減を」


諮問会議で民間議員は、「社会保障については、経済が厳しい状況にある中でできる限り効率化を図り、国民負担を軽減すべき」との見解を示した。21年度予算についても、「引き続き、高齢化による増加分に相当する伸びの範囲に抑えるべき」とした。そのうえで、薬剤費について、「経済が厳しい状況にある中、約10兆円に達する薬剤費の引下げにつながる改革を実現し、国民負担を軽減していくべき」と切り込む姿勢を強く示した。


◎薬価対象品目の範囲例と医療費への影響について試算を提示 全品対象迫る


対象範囲について諮問会議は、「平均乖離率の2.0倍以上」の医療費削減効果は▲500~800億円(約3100品目、全品目の約2割)にとどまるとのデータを示した。一方で、「平均乖離率の1.5倍以上」では、▲750~1100億円(約5000品目、全品目の約3割)、「平均乖離率の1.2倍以上」では▲1200~1800億円(約6600品目、全品目の約4割)、「平均乖離率の1.0倍以上」では▲1900~2900億円(約8100品目、全品目の約5割)とした。なお、全品目は1万6000品目で、医薬品の品目数は後発品が半数以上を占める一方で、金額シェアでは先発品が半数で、なかでも新薬創出等加算品が2兆7000億円を占める。

民間議員の柳川範之東京大学大学院経済学研究科教授は、「個別の追加問題提起」として、「可能な限りのデータを得て、国民負担をできるだけ減らしていくのは当然」と指摘した。そのうえで、「21年度の毎年薬価改定は、着実かつ広範囲に、できるだけ全品、(少なくとも薬価と市場実勢価格の乖離率が大きい品目を中心に 8 割)の改定を実施すべき」と求めた。

対象範囲を“乖離率が著しく大きい品目”とするよう、主張する製薬業界内には、2.0倍を妥当とする声もあがっている。ただ、この場合は後発品がターゲットになるとの見方もある。

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