大鵬薬品は1月13日、大塚製薬子会社のアステックス社、MSDと結ぶ戦略提携の範囲を拡大したと発表した。大鵬薬品とアステックス社が共同で進めていたSHP2 をターゲットとした低分子創薬プログラムの独占的ライセンスを、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. （北米およびカナダ以外ではMSD）に対し、子会社を通じて付与した。

３社は、昨年１月にKRAS がん遺伝子を含む複数の薬剤ターゲットに対するオンコロジー領域での戦略的提携を発表しており、このオプション権をMSDが行使した。MSD は研究開発資金を提供し、SHP2 製品の全世界での商業化する。一方で、大鵬薬品とアステックス社はオプション権行使に対するフィーに加え、SHP2 製品の臨床、薬事、売上マイルストーン達成に付随する支払い、売り上げに対する段階的なロイヤリティを受け取る権利を得る。なお、大鵬薬品は国内での共同での商業化、東南アジア一部地域でのSHP2 製品のプロモーションを行う権利を保有する。

SHP2はタンパク質脱リン酸化酵素で、細胞増殖や細胞分化などの細胞プロセスを調節するシグナル伝達分子。KRAS などのRAS シグナル経路の活性も制御する。