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厚労省 新薬13製品を承認 がん悪液質用薬エドルミズ、片頭痛の抗体製剤エムガルティなど

公開日時 2021/01/25 04:51
厚生労働省は1月22日、新医薬品として13製品33品目を承認した。この中には、初のがん悪液質治療薬エドルミズ錠(一般名:アナモレリン塩酸塩、申請企業:小野薬品)や、片頭痛で初の抗体製剤となるエムガルティ皮下注(同ガルカネズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)がある。エドルミズは2度の薬食審医薬品部会の審議を経て、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんの4がん種のがん悪液質の治療薬として承認された。

承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。薬効分類別に記載。

エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター、同皮下注120mgシリンジ(ガルカネズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「片頭痛発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:119

片頭痛で役割を果たしていると考えられているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に特異的に結合し、CGRPの受容体への結合を阻害するよう設計された抗CGRP抗体。片頭痛に対する初の抗体製剤となった。

用法・用量は、「通常、成人にはガルカネズマブとして初回に240mgを皮下投与し、以降は1か月間隔で120mgを皮下投与して用いる」となる。同剤の使用に係る患者及び医療機関などの要件、留意事項は最適使用推進ガイドラインで示される。製造販売承認は日本イーライリリーが保持し、流通及び販売を第一三共が行い、両社で情報提供活動を実施する。

ソグルーヤ皮下注5mg、同皮下注10mg(ソマプシタン(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:241

長時間作用型の遺伝子組み換えヒト成長ホルモン(hGH)誘導体。週1回の皮下注射で用いる。内因性アルブミンとの可逆的な非共有結合で、ソマプシタンの血中からの消失が遅延し、結果として作用時間が延長する。持効性インスリンなどに活用されるタンパク質工学技術を成長ホルモンに応用し、開発された。

ジムソ膀胱内注入液50%(ジメチルスルホキシド、杏林製薬):「間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状(膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感及び不快感、尿意亢進又は頻尿等の下部尿路症状)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:259

同剤は投与局所で抗炎症作用及び鎮痛作用を示すとするin vivo試験の報告があり、同剤の膀胱内投与によりこれらの作用が間質性膀胱炎の諸症状の改善に寄与すると考えられている。同剤は尿道カテーテルを用いて膀胱内に注入して用いる。

間質性膀胱炎は膀胱の非特異的な慢性炎症に伴い、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱痛などの症状症候群を呈する疾患。厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議に、日本病院薬剤師会が既存の療法が国内にないことから開発要望した。同会議で「医療上の必要性が高い」と判断されたことを受けて、厚労省から開発企業が募集され、杏林が開発することを表明した品目。

イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg、同錠10mg、同錠15mg、同細粒分包10mg、同細粒分包15mg、同OD錠10mg、同OD錠15mg(リバーロキサバン、バイエル薬品):「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は4年。薬効分類:333

選択的直接作用型第Xa因子阻害薬。今回、小児適応を追加し、新たにドライシロップも追加した。

ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg(イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)、クリニジェン):「ムコ多糖症II型」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:395

ムコ多糖症II型に対する酵素補充療法に使用される脳室内投与製剤。1回30mgを4週間に1回、脳室内投与して用いる。

ムコ多糖症II型の酵素補充療法薬として、イデュルスルファーゼの静脈内注射製剤(国内製品名:エラプレース点滴静注液)が承認され、使用されている。しかし、臨床用量では血液脳関門を通過せず、中枢神経症状に対する有効性が認められていない。今回の脳室内投与製剤は、薬剤が脳室に直接送達されるため、脳および中枢神経系の細胞に到達する。このため従来の静脈注射では不可能だった精神運動発達遅滞などに対する効果が期待されている。海外で承認されている国・地域はない。

エドルミズ錠50mg(アナモレリン塩酸塩、小野薬品):「非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:399

グレリン様作用を有する薬剤。グレリンは成長ホルモン(GH)放出促進因子受容体タイプ1aの内因性アゴニストとして同定されたペプチドホルモンで、主に胃で産生され、GH分泌促進、食欲亢進、脂肪生成促進などの生体内エネルギー代謝を調節する。

がん悪液質は、がん患者において通常の栄養サポートでは完全には回復しない持続的な体重(特に筋肉量)減少を特徴とする複合的な代謝異常のこと。がん化学療法への忍容性の低下やQOLの著しい低下などを生じ、予後に影響する。がん悪液質の患者では一般的に体重が減少するなか、同剤は国内臨床第2相試験で除脂肪体重がプラセボ群に比べ、1.56kg増加したことを確認した。

同剤の用法・用量は、「通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100mgを1日1回、空腹時に経口投与する」となった。用法・用量に関する注意事項として、投与開始から3週間をめどに効果が認められない場合は原則、投与を中止する。

マスーレッド錠5mg、同錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg、同錠75mg(モリデュスタットナトリウム、バイエル薬品):「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:399

低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬。保存期と透析期の腎性貧血に使用できる。HIF-PHD阻害薬としてエベレンゾ錠(一般名:ロキサデュスタット)、バフセオ錠(バダデュスタット)、ダーブロック錠(ダプロデュスタット)、エナロイ錠(エナロデュスタット)に続く5番手となる。

カルケンスカプセル100mg(アカラブルチニブ、アストラゼネカ):「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:429

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬。B細胞に発現するB細胞受容体(BCR)の下流シグナル伝達分子であるBTKと結合し、BTKのキナーゼ活性を阻害することでB細胞性腫瘍の増殖などを抑制すると考えられている。再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)に対するBTK阻害薬にイムブルビカがあり、カルケンスは2番手となる。

アルンブリグ錠30mg、同錠90mg(ブリグチニブ、武田薬品):「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:429

ALKを選択的に阻害する次世代チロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)。ALK融合遺伝子陽性の腫瘍に対して、ALKのリン酸化を阻害することで、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。同剤はALK陽性の非小細胞肺がんの1次治療にも使える。なお、ALK陽性を判定するためのコンパニオン診断薬として、アボットジャパンの「Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット」が承認されている。

オラデオカプセル150mg(ベロトラルスタット塩酸塩、オーファンパシフィック):「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。先駆け審査指定品目。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:449

低分子の血漿カリクレイン阻害薬。遺伝性血管性浮腫(HAE)は、補体第1成分阻害因子の欠損によりブラジキニンが過剰に産出されて発症する常染色体優性遺伝性疾患。血管性浮腫発作は通常1~5日間持続し、激しい痛みや身体障害を引き起こす。口腔咽頭や喉頭の発作に処置を施さない場合、浮腫が進行し、窒息により死に至る場合もある。同剤は、ブラジキニン産生酵素を特異的に阻害することで、HAEの急性発作を予防することが期待される。

HAEの急性発作治療薬としてはベリナートP静注用やフィラジル皮下注があるが、HAEの発症抑制を目的とした薬剤はオラデオが初となる。鳥居薬品が国内の独占的販売権を持っている。

ヌーイック静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用2500、同静注用3000、同静注用4000(シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、藤本製薬):「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:634

ヒト胎児由来腎細胞(HEK293F細胞)を用いて製造されるBドメイン除去型の遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤。日本人を含む国際共同第IIIb相臨床試験(GENA-21b)を主要な試験として、今回の効能・効果で承認された。

リンスパッド点滴静注用1000mg(乾燥濃縮人α1-プロテイナーゼインヒビター、Grifols Therapeutics LLC):「重症α1-アンチトリプシン欠乏症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。ヒト血液由来の血漿分画製剤。再審査期間は10年。薬効分類:634

ヒト血漿から精製されたα1-プロテイナーゼインヒビターの凍結乾燥製剤。α1-アンチトリプシン(AAT)欠乏症患者に対する補充療法への使用を目的として開発された。

AAT欠乏症は、AATの欠乏により、若年性に慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する遺伝性疾患。主な症状は労作時呼吸困難や慢性の咳嗽・喀痰で、進行すると労作時呼吸困難の程度が悪化し、酸素吸入、人工呼吸管理が必要になる。

サルプレップ配合内用液(無水硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム水和物、日本製薬):「大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は6年。薬効分類:799

大腸内視鏡検査を行うための腸管洗浄剤。検査当日のみ投与(当日1日)と、検査前日と当日に分けて2回投与する(2日分割)との2つの用法がある製剤は、現時点では同剤のみとなる。2回投与の場合、検査前日の夕食は投与開始の3時間以上前に終了し、夕食後は絶食(水分摂取は可)とする。朝早くから検査が必要な場合の選択肢のひとつになる。

【訂正】下線部の表記に誤りがありました。訂正します。(1月25日10時40分)
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