三重大病院の元教授に対する贈賄の疑いで、小野薬品営業本部の社員２人が１月27日、津地方検察庁に逮捕された。小野薬品から資金を受け取った疑いで三重大病院臨床麻酔部元教授の亀井政孝容疑者も同日、第三者供賄容疑で再逮捕された。

亀井元教授は、小野薬品のオノアクトを部内で積極的に使用することを指示し、売上高が増加した。見返りとして、200万円を提供した疑い。

同社は、奨学寄附金として2018年３月（17年度）に200万円を拠出していた。また、この後、19年11月に150万円を拠出している。奨学寄付金は本来、学術研究の振興や研究助成を目的としており、贈収賄には該当しないが、今回は調査の結果から贈収賄に該当すると判断したとみられる。なお、同社は、奨学寄付金の決定は、営業本部から切り離されており、これらの奨学寄附金も社内の正式なルートを経ていたとしている。

オノアクトをめぐっては、同臨床麻酔部の元准教授・境倫宏被告が実際に処方していないにもかかわらず、電子カルテを改ざんし不正請求を行ったとして、公電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕、起訴されている。

◎ 「厳粛かつ重大に受け止める」「当局の捜査に全面的に協力する」　小野薬品

小野薬品は、「このような事態を招いてしまったことを厳粛かつ重大に受け止めるとともに、株主の皆さま、関係者の皆さまをはじめ、すべてのステークホルダーの方々に多大なご迷惑、ご心配をおかけすることとなり深くお詫び申し上げる。これまで当局による捜査に全面的に協力して参りました。今後も、引き続き当局の捜査に全面的に協力して参る」とのコメントを出した。