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湘南アイパーク 「iPS細胞提供プラットフォーム」構築へ実証実験 産業利用加速で希少疾患治療薬の開発も

公開日時 2021/02/03 04:51
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)は2月2日、「iPS細胞提供プラットフォーム」の構築に向けた実証実験を開始したと発表した。プラットフォームでは、患者や医療機関、受託製造・保管業者、アカデミア、製薬企業などを一気通貫でつなげ、その可能性を検証する。プラットフォームの有用性が確認されれば、今年中のプラットフォーム事業基盤の構築を目指す。iPS細胞の産業利用を加速させ、希少疾患や難病などの革新的治療法の創出につなげたい考えだ。iPS細胞をめぐる研究の競争が世界中で激しくなるなかで、プラットフォームの活用で日本の存在感発揮にも期待を寄せる。

◎同意取得やiPS細胞樹立方法、物流経路などの標準化・データベース化へ 一気通貫モデル構築

実証実験では、少数の医療機関や企業と協業し、特定疾患向けの創薬に活用するiPS細胞の提供プラットフォーム実現の可能性を検証する。

構築するプラットフォームは、湘南アイパークが中心となって2020年8月に設立した一般社団法人「アイディーフォー(iD4)」が核になる。iD4は、医療機関等からの細胞及び細胞付随データの入手・管理、iPS細胞の樹立・分化、及び樹立・分化後細胞の販売・提供などの業務を担う。これにより、細胞提供者である患者や医療機関、iPS細胞製造・保管機関(受託製造・保管企業など)、細胞活用機関(アカデミア、製薬企業など)を一気通貫でつなげる。このプラットフォームを構築したうえで、ドナーからの同意取得方法、細胞の付属情報、iPS細胞樹立方法、物流経路などを“標準化・データベース化”する考えだ。

iPS細胞の産業利用を見据えると、日本では細胞を提供するドナーの同意取得にバラツキがあることや、細胞の品質が不均一であること、入手した細胞に関する情報が不足しているなど、様々な課題があることが指摘されている。プラットフォームの構築で、こうした課題を克服し、産業利用へと一気に加速したい狙いがある。iPS細胞は、細胞治療だけでなく、疾患メカニズムの解明や、希少疾患や難病などの治療薬開発において期待されており、日本が世界にリードするためにも、医療現場と産業を結ぶプラットフォーム構築の必要性が指摘されていた。

なお、iD4は、湘南アイパークなどが正会員となっているほか、名誉会員には京都大学iPS細胞研究財団、 京都大学iPS細胞研究所齋藤潤氏、賛助会員には、武田薬品、アステラス、田辺三菱製薬が名を連ねている。

◎湘南アイパーク・藤本ジェネラルマネジャー「患者と企業双方のニーズつなぐ」

湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャー兼アイディーフォー代表理事は、「難病・希少疾患をわずらう患者さんの細胞は入手が難しく、治療法の開発につながる研究の活性化を阻む要因となっている。持続可能な細胞提供基盤を確立できれば、新たな治療法の開発を望んでおられる患者さんと、開発を目指す企業の双方のニーズをつなぐことができる。さらにiPS細胞技術を活用することで、世界の創薬を活性化していくことを期待している。湘南アイパークでは、今後も研究と産業を活性化させるプラットフォームの構築に取り組む」とコメントしている。
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