第一三共 第5期中計発表 25年度に売上高1兆6000億円目指す
公開日時 2021/04/06 04:51
第一三共は4月5日、「第5期中期経営計画(2021~25年度)」を発表した。最終年度である25年度に売上高1兆6000億円を目指す。エンハーツなど3剤の抗体薬物複合体(ADC)の成長を通じ、がん領域で6000億円以上の売上高を確保したい考えだ。また、研究開発費控除前営業利益率で40%を目指す。
同社が25年のビジョンとして掲げるのが、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」だ。 エンハーツの上市などで、このビジョンの「達成の目途は立った」と眞鍋淳代表取締役社長は自信をみせた。そのうえで、2030年のビジョンとして掲げる「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を目指すとした。がん領域でグローバルトップ10などを視野に入れる。第5期中計は、この達成に向けた成長ステージに位置づけた。
具体的には、アストラゼネカと戦略的提携を結んだエンハーツやDato-DXdの最大化に加え、HER3-DXdの自社開発による最速の上市を目指す。最大3000億円の設備やCMOへの投資を行い、ADCの供給体制も拡充する。また、3剤以外のADCについても、積極的な投資を進める考えも示した。
がん領域以外では、抗凝固薬・リクシアナについては早期に売上高2000億円を突破し、ピーク時2200億円以上の売上高を達成。安定的な利益を生み出す製品へと成長させたい考えだ。25年度には国内も新薬比率を約80%に高め、がんの売上比率も約20%を目指す。また、現在は国内売上高が約6割を占めるが、海外売上高を半数以上に高めることにも意欲を見せた。
眞鍋社長は、「革新的医薬品の創出やSDGsへの取り組みなどを通じ、社会課題の解決を目指し、我々の強みであるサイエンス&テクノロジーに基づき、イノベイティブなソリューションの提供に挑戦し続けることで、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」と述べた。