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NBI 20年売上1952億円、3%増収 コロナ前からのDX推進で「短期間にデジタル切替に成功」

公開日時 2021/04/28 04:50

日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)は4月27日、2020年の医療用医薬品売上は薬価ベースで1952億円で、前年比3.1%増だったと発表した。コロナ禍にあっても2型糖尿病治療薬ジャディアンスファミリー(単剤、配合剤)や抗線維化薬オフェブはそれぞれ2ケタ成長し、国内事業全体をけん引した。

製品ポートフォリオの刷新、デジタルの積極活用、組織体制の最適化といったトランスフォーメーションをコロナ以前から継続的に推進してきた。このため、コロナ禍の当初から、デジタルを活用した社内外とのコミュニケーションの強化に迅速に取り組むことができたという。同社の青野吉晃・会長兼社長は、デジタル化の加速により、コロナ禍の中でも社員の安全を確保しつつ顧客ニーズに対応できたとし、「前年を上回る力強い成長をとげることができた」と述べた。

◎デジタル営業のコツに「先生が慣れ親しんでいるプラットフォームを使う努力をした」

同社のシャシャンク・デシュパンデ・医薬事業ユニット統括社長(写真)はこの日に開いたウェブ会見で、デジタルトランスフォーメーション(DX)にコロナ以前から取り組んできたと紹介した上で、コロナ禍当初から、「急速に、短期間に、デジタルチャネルに切り替えることに成功した」との認識を示した。同社では20年3月に医師とのオンライン・コミュニケーション・プラットフォームを本格導入した。コロナ以前から医師の許可を得て電子メールを用いた情報活動を行うなど、「デジタルで顧客とコンタクトするベースができていた」(デシュパンデ氏)こともスムーズな導入につながった。

ただ、デジタルを用いた情報プラットフォームを構築・導入しただけで顧客を満足させる情報活動ができるかといえば、そうではないようだ。

デシュパンデ氏はデジタルを用いた営業活動のコツとして、「当社にも独自プラットフォームがあるが、多くの場合において、先生方が慣れ親しんでいるプラットフォームを使う努力をした」という。「顧客中心で考えていく中で、顧客が我々とコンタクトするのに、どのようなチャネルを好まれるかは顧客の選択になる。我々は準備をし、どのようなチャネルであってもきちんとコミュニケーションできることが重要だ」と強調し、自社サイトやサードパーティ、Zoomなどの各種ウェブ会議システム、電子メール、電話、ウェブセミナーなど複数の選択肢を用意して情報活動に取り組んだと説明した。

◎ジャディアンスファミリーは400億円突破 前年比40%増

同社の20年の主要製品の売上(薬価ベース)は、チロシンキナーゼ阻害薬/抗線維化薬・オフェブは393億円(前年比39.3%増)、SGLT2阻害薬・ジャディアンスは274億円(22.7%増)、ジャディアンスとDPP-4阻害薬トラゼンタの配合剤・トラディアンスは129億円(100.6%増)、トラゼンタは370億円(3.1%減)、COPD治療薬・スピオルトは75億円(5.1%増)――だった。ジャディアンスとトラディアンスで構成する「ジャディアンスファミリー」の売上は403億円で、前年比40.2%増となった。

◎ジャディアンス 21年中に心不全適応の取得を期待

同社の成長ドライバーはジャディアンスファミリーとオフェブとなる。ジャディアンスは、SGLT2阻害薬市場での売上シェアは30か月連続1位。心血管疾患既往の2型糖尿病患者の心血管疾患リスクを低下することを示した大規模臨床試験「EMPA-REG OUTCOME試験」の結果が背景にある。

ジャディアンスは慢性心不全の適応追加を承認申請中で、慢性腎臓病の適応追加を目指してフェーズ3を行っている。デシュパンデ氏はこれらの適応追加によって期待されるピーク時売上は明言しなかった。ただ、「(心不全やCKDの)患者さんや医師のために我々が貢献できる大きなチャンス。年末に心不全でスタートできると願っている」と述べ、21年中に心不全の適応追加が承認されることに期待感を示した。

オフェブは現在3つの適応を持ち、20年に進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)の適応症を持つ唯一の薬剤になった。デジタルを活用した情報活動でこの新適応の認知を広げることに成功した。同剤は現在、全適応の合計で、肺線維化薬市場でシェア1位となっている。

◎山形工場 グローバル生産拠点のひとつに

このほか、青野会長兼社長は会見で、同社国内製品の生産拠点である山形工場(山形県東根市)について、日本向けだけでなく、アジア・オセアニア地域におけるグローバル生産拠点のひとつにする計画を明らかにした。

敷地内に、糖尿病薬などの固形製剤の生産施設を新たに建設する予定という。質疑で、コロナ禍を受けてアジア・オセアニア地域の生産設備を増強するための設備投資かとの質問に対し、青野会長兼社長は、「コロナとは直接的なかかわりはない。全く別の戦略で動いている」と話した。

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